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「っっあ〜〜、きょうもつっかれたあ……」
帰宅すると、着替える気力もなくベッドにボフっとダイブ。
癖でテレビのリモコンを手に取り電源を入れると、深夜帯のゆるい告知ラインナップやCMとともに、多忙を極めた私の一日がゆるゆる終わっていく。
今にも沈みそうな意識の中でモニターを眺める。
化粧水のCMに出てこちらに微笑むかんばせ。
大人気のイケメンモデルがそこにいる。
お肌つるつる、死角なしの綺麗なお顔…
いいね、キレイでいるのがお仕事で。
私は女として悲しくなってくるよ。
＿＿“うつくしい肌は、目覚める。
誰にでも、平等に。”
…それ、私にも？
思わずテレビに向かって突っ込む。
着替えもお風呂も後回しにして、女子力なんてかなぐり捨てて、明日も続く仕事の鋭気のため、私の意識は睡眠の海へと沈んでいく……
ああダメ、寝ちゃう…
“美肌の秒針を、きかせてあげる。”
テレビ、うるさい……＿＿
・
AM7:05
この日は、近年稀に見る寝起きの良さだった。
なにせ寝入りが良かったのだろう。
昨日どうやって寝たかなんて全く覚えてないけど…
なんかすっごくいい夢見た気がする！
母「ゆり〜、ハイお弁当〜」
「ありがと！
あっ、おにぎりまだあるんだ」
「出来すぎちゃったのよねー」
長年のお弁当作りのキャリアで、なんで米の量が計算できないんだい、母よ。
「 会社に持って行こ。淳太さん泊まり込みだっただろうし」
島根のおばぁがつくった、美味しいお米だから。
「そうしなさい〜。淳太さんたちによろしくねえ(^ ^)」
母は会ったこともないわたしの上司をなんか気に入っている。
握り飯でやや膨らんだリュックを背負って家を出た。
・
「うんまあー」
出社すると、やっぱり泊まり込んでいた淳太さん。
私も、いっしょに朝ごはんタイム
「よかったです。よしみ(母)も喜びます。」
「ゆりちゃん、おれも食うていい？」
「どぞ」
この事務所で唯一ピシッとスーツを着こなしているのは、我らがJワークスの営業、桐山さん。
おしゃべりで人懐っこくて、笑顔が素敵！
the 営業って感じのひと。
「おう親方、食い過ぎやで」
「親方いいなやww」
始業前のゆるい空気の中、外線がなった。
「はい、Jワークスです…あっ、濱田さん、おはようございます！」
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年6月9日 14時
