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営業からマーケティングセクションに異動してきて一週間が経つ。
今日も濱ちゃんにくっついて取引先との挨拶や業務引き継ぎをこなした。
全く新しい仕事に手を焼いてはいるが、ずっとやってみたかったことに携われるということはワクワクすることが多い。
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「やっとメシや〜」
午前の業務を終えて、濱ちゃんは異動先である開発の人らに呼ばれていったんで、俺はひとり社食で昼食をとる。
食堂の一角に席をとると、見慣れた人物から声をかけられた。
「おう、小瀧」
「横山さん！おつかれっす〜」
「ここ、ええか？」
俺の古巣である営業の横山課長や。
横山さんも席を探していたようで、俺の隣に陣取った。
そのトレーには日替わり定食が乗っかている。
ちなみに俺はデミグラスカツ丼。
「どやねん、マーケは。慣れたか？」
「や〜まだそこまで本格的に仕事した訳ちゃうんすけど、とりあえず商品企画からやってるんす。」
商品企画は、ここのセクションの仕事の一つ。
消費者のニーズに沿った商品を企画して、世に送り出す仕事や。
どのターゲットに売るかを検討したり、実際の製品ビジュアルを考えたり、既存商品の販売促進をしたり…
「へー。小瀧はどの製品やることになるん？」
「 濱ちゃ…濱田さんのやっとった“アルコ”と、新しく立ち上げる“mean”の2ブランド、とりあえず担当するみたいす。」
「mean…そういやこないだデザインコンペやっとったなー？」
横山さんが、割り箸をパキッと割りながら記憶を辿るように目線を宙に巡らせた。
“mean”とは、今夏の新商品として発売企画中の基礎化粧品ブランド。
洗顔フォームとオールインワンジェル、美容エッセンス、シートパックで一つのシリーズになっている。
ジャスミンをベースにした、高品質ボタニカル志向コスメだ。
「そのコンペも発注先決まったみたいで、明日打ち合わせなんす。」
「おーー。頑張れよ！」
「はい。営業のみんなはどっすか？」
言葉の後半は、カツにかぶりつきながら。
「おう。お前が移動してから、沖田が意気消沈しとるわな。」
「ほんまっすかー？小言いう相手がおらんくなって燃え尽きとるんでしょ。笑」
それから、あれやこれや話して昼食を胃におさめた。
午後から取引先へ顔合わせがあるから、横山さんに挨拶して早めに自席に戻った。
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年6月9日 14時
