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雨が、降る。
月も星も隠した闇色の空から……街に、俺の肩に、そして心に。
ひどく冷たい、雨。
俺は、暗澹たる気持ちを抱えて。
濡れるのも厭わず、ただ夜の雨に沈む街を歩いた。
しっとりと水分を含み始めた歌うたいの正装がやけに重くて。
足下で跳ね返る雨水が、ぱしゃりと音を立てた。
そういえば、と足を止めて見上げる空は。
顔に当たる雨。
降り続くこの雨は、いつから降っていたっけ……？
そんなことをぼんやりと考えた。
降り頻る雨は冷たく、見上げた空は闇に呑まれていた。
それはまるで、国を呑み込もうとしているようで。
ぶるりと背を震わせた。
何が、どうなって……？
確かに、横尾さんの言う通り菫様や梔子様の及ばない力なんて、ひとつしか無い。
だけど。
そんなはずないんだ。
あの方は、いつも国を思っていらした。
国を。民を。
だから。
そう思うのに。
ぐるぐると回る不安。
俺は、どうしようもない想いを抱えて空を見上げていた。
この、心の中を巡る焦燥と不安。
何かが、すり抜けていく─────……。
降りしきる雨の中で翳した掌。
指の間を抜けていく雨水と同じように。
大事な物のはずの何かが手から零れて落ちていくような感覚。
絶対に取り落としてはいけないもののはずなのに。
それは、5年前のあの時の感覚に似ていた。
大切にしていたはずの"もの"が、俺の手から零れて落ちて。
失ってしまった……あの時。
何かがおかしいと確かにわかっていたはずなのに、何も出来ないままだったあの時の俺。
同じことにはしたくない。
おかしいと思ったのなら、動かなければ。
じっとしていても、事態は好転などしないことを俺は知ってる。
痛いほどに。
だから。
会わなきゃ。
陛下に─────────……。
唐突に、俺の心の中心にすとんと落ちてきた。
あの日を無駄にしない為に。
同じことを繰り返すならば、それは何も学んでいないことと同じだ。
無駄になど、出来ない。
今でもこの胸の奥底に沈む果てしないほどの後悔を。
そう心に決めた瞬間、空が呼応するように雷鳴が轟いた。
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流華(プロフ) - 充瑠さん» 充瑠さーん♪お久しぶりでーす♪♪わぉ、ロケ地に行かれたんですか!?羨ましいー( ☆∀☆)私も行きたいなぁ。頑張って更新していきますねー♪ヽ(´▽｀)/ (2018年10月26日 13時) (
レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ここさん» ここさん、こんにちは。コメントありがとうございます♪藤北さん……拗れてまさからね(笑)どうなることか(^_^;)頑張りますので、今後もよろしくお願いいたしまーす(*´∀`)♪ (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - 椿さん» 椿姫……(笑)喜びの舞だったり、机の角で頭ぶつけたりと忙しいな(笑)ああ、卓袱台返しの準備もするんだっけ？(笑) (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪♪いつも、ありがとうございますー♪ヽ(´▽｀)/ゆっくり進んでます(笑)そうです、お墓ですよ。あれが、誰のお墓なのか…。ポイントですね、それ(笑)伏線……回収出来るはずです(たぶん/笑) (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
充瑠(プロフ) - 流華さーん！！お久しぶりです。いよいよですね！実はこの夏に、ロケ地に行ってきまして。まだ記憶も鮮明なので、今後が楽しみです＾＾いつまでも待ちますー (2018年10月21日 0時) (レス) id: 5cca4c3768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流華
| 作成日時：2018年6月8日 11時
