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おかしいと、何度も思ったはずなのに。
何かを見落としている気がしていたのに。

深緑の美しさが眩しくなって、俺は更に目を細めた。
その美しさが、何処か無言で俺を責めているようにさえ見える。
言葉にすることを、問いかけることを、怠ってきた俺自身を。
そんなはずはないのに。

あの日の学舎の中庭。
色付いた声。
二人だけの世界。
戻れない過去は、ひどく美しくそして儚げで。

愛してた。
愛していた。

今でも……

それでも、俺にはもう……
それを口にする資格は─────ない。

友達になんか、なれない。
恋人には、もう戻れない。

俺はもう、藤ヶ谷にとって何の価値もない。

そう思って、ゾッとした。
俺にとって……ではなく、藤ヶ谷にとって価値のない俺。
足元が急にバラバラと崩れ落ちていく気がした。
ひどく心許なくて、独りで闇の中に放り込まれたような感覚。
肩が震えて。


「ははは……。」


漏れる嘲笑。
それほどに俺は藤ヶ谷に必要とされる自分に価値を見出だしていたのか。
それを失い、自分の価値さえわからなくなるほどに。

これじゃ、依存じゃねぇか……。

弱い自分に笑いが込み上げて、俺は空を仰いだ。
差し込む木漏れ日が目に痛い。
緑の歌うたいに育まれた深緑。
そんな美しい緑を見つめて。
頭の中で再生される、あの日の桃色。
気が付くと俺は、頭の中のその桃色に合わせて歌っていた。
芳しい香りを吸い込んで、声が音階を刻んで色付く。



♪♪〜〜♪〜♪♪〜〜〜〜



響くは想い出の淵に沈む、あの歌。
もう取り戻せない青い日の中庭で色付いた……

秘歌─────……

歴代の皇帝陛下が眠る霊廟の庭で。
ここで眠る方々の中には、この歌を歌った方もいるだろう。
俺では、何の意味も持たないこの歌を。
この歌に宿る赤は、俺の切なさの具現。

歌声を空に。









永遠に、忘れ得ぬ人への想いを────……。









深い自責の念に苛まれても、それでも消えない想いを。

空へ──────……。



不意に背後で気配がして。
振り返ると、そこに柔らかに笑う玉がいた。


「ミーツ、探したよ?」


俺の顔を見て、一瞬だけ眉根を寄せて。
恐らくは何かを感じ取ったはずだけれど、何も言わずにいてくれる玉が有り難かった。
だから、俺も何も無かった顔をすることが出来るんだ。

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流華(プロフ) - 充瑠さん» 充瑠さーん♪お久しぶりでーす♪♪わぉ、ロケ地に行かれたんですか!?羨ましいー( ☆∀☆)私も行きたいなぁ。頑張って更新していきますねー♪ヽ(´▽`)/ (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ここさん» ここさん、こんにちは。コメントありがとうございます♪藤北さん……拗れてまさからね(笑)どうなることか(^_^;)頑張りますので、今後もよろしくお願いいたしまーす(*´∀`)♪ (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - 椿さん» 椿姫……(笑)喜びの舞だったり、机の角で頭ぶつけたりと忙しいな(笑)ああ、卓袱台返しの準備もするんだっけ?(笑) (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪♪いつも、ありがとうございますー♪ヽ(´▽`)/ゆっくり進んでます(笑)そうです、お墓ですよ。あれが、誰のお墓なのか…。ポイントですね、それ(笑)伏線……回収出来るはずです(たぶん/笑) (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
充瑠(プロフ) - 流華さーん!!お久しぶりです。いよいよですね!実はこの夏に、ロケ地に行ってきまして。まだ記憶も鮮明なので、今後が楽しみです^^いつまでも待ちますー (2018年10月21日 0時) (レス) id: 5cca4c3768 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流華 | 作成日時:2018年6月8日 11時

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