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「俺には、何とも答えられません……。」
「そっか……。」
菫様と蒼様は、代行様と同期生のはずだ。
この5年の代行様の働きを見ていた中で、杳として知れない紅様の行方も考え、"紅"に代行様を推したのだろう。
しかし、紅様と同期生の桜様と碧様と梔子様は頑として首を縦には振らなかった。
どちらも同期生ではない蘇比様は我関せずを貫き、議会は真っ二つに割れ紛糾した。
どちらの言い分も理解が出来てしまうが故に、俺はどちらにも賛同は出来ないままで。
陛下は……
何も仰らなかった。
ただ黙って、その様を見ているだけだった。
同様にこの代行様ご自身も、それに関して口を開くことはなく議論は答えを出すことなく閉幕した。
「代行様は……どうお考えですか?」
「俺は……正直、どっちでもいい。やることは変わらないしな。」
「そうですね……。」
「ただ……陛下のお心を思うとな……。」
陛下のお心……。
代行様は、陛下と紅様の関係をご存知なのか……?
「共に切磋琢磨してきた相手の居場所を残しておきたいと思うのは当たり前だろ?」
ああ、ご存知ではないのだな。
本当にあの方々の関係は内密にされていることなのだ。
何も仰らない陛下。
思い返す、ここ最近の陛下……
この5年で陛下は…………。
「それに……もう、いい加減…現れてもいいはずなんだけどな。」
未だ虹色の声を持つ後継者は現れていない。
陛下の在位は既に13年。
これは異例中の異例だった。
現陛下の治世は平穏で、国は富み民は笑う。
唯一の不安要素が、その後継者問題。
何処にも継承されない虹の歌声。
こればかりは誰にもどうすることも出来ない。
「この5年で陛下は……表情が乏しくなられた……。」
代行様は、窓の外を見つめながら小さく呟いた。
ああ、俺の勘違いではないのか。
この5年で、陛下が感情を表に出されることが少なくなったように思うのは。
そして、おもむろに指を差した。
「それでも、アイツといる時はよく笑っていらっしゃる。」
窓から見える塔の上。
白い服を身に纏い緩く笑顔を浮かべる陛下の半歩後ろに、切なげに瞳を細めて陛下を見つめる……
─────────……北山。
ああ、そうか。
オマエが、光の中で見た幻は……
その方か────────……。
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流華(プロフ) - 充瑠さん» 充瑠さーん♪お久しぶりでーす♪♪わぉ、ロケ地に行かれたんですか!?羨ましいー( ☆∀☆)私も行きたいなぁ。頑張って更新していきますねー♪ヽ(´▽`)/ (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ここさん» ここさん、こんにちは。コメントありがとうございます♪藤北さん……拗れてまさからね(笑)どうなることか(^_^;)頑張りますので、今後もよろしくお願いいたしまーす(*´∀`)♪ (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - 椿さん» 椿姫……(笑)喜びの舞だったり、机の角で頭ぶつけたりと忙しいな(笑)ああ、卓袱台返しの準備もするんだっけ?(笑) (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪♪いつも、ありがとうございますー♪ヽ(´▽`)/ゆっくり進んでます(笑)そうです、お墓ですよ。あれが、誰のお墓なのか…。ポイントですね、それ(笑)伏線……回収出来るはずです(たぶん/笑) (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
充瑠(プロフ) - 流華さーん!!お久しぶりです。いよいよですね!実はこの夏に、ロケ地に行ってきまして。まだ記憶も鮮明なので、今後が楽しみです^^いつまでも待ちますー (2018年10月21日 0時) (レス) id: 5cca4c3768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流華 | 作成日時:2018年6月8日 11時