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「バカ。闇雲に突っ込んでどうする。冷静になって状況を読め。」


「!?」


俺が頷くのを確認して、横尾さんがその手を離した。
頭ひとつ分高い位置にある横尾さんの顔が般若の様相を呈す。
それは、その怒りは、間違いなく二人を集団で袋叩きにしている奴等に向かっていた。
何だかんだ言って、やっぱり優しいのだ、この人は。


「オマエ、赤だったな。捕縛の歌、いけるか?」


「!?」


そうか。
縛の声なら。
あの日の紅様のように、話し声だけではまだ無理だが歌なら。
それなら、弱く一瞬だけ相手の身体の自由を奪うことが出来るはずだ。


「四人全員は無理だな。いけて二人。」


「上等だ。残りは任せろ。」


そう言って横尾さんが走り出す。
合わせて、目一杯息を吸い込む。
色付く声。


♪〜♪♪〜♪〜〜♪〜〜〜〜


響く赤の歌声。
攻撃色の旋律。

千賀を取り押さえ、刃物を向けていた奴等が赤い薄い膜に覆われた。
同時に、二階堂を殴り付けていた二人組を横尾さんが音もなく忍び寄り蹴り倒した。


「逃げるぞっ!!!走れっ!!!」


千賀を取り押さえていた二人を薙ぎ倒し、俺は叫んだ。
突然の俺と横尾さんの登場に目を見開いていた二階堂と千賀も、俺の声に動き出す。
横尾さんが、二階堂を支えるようにして。
同時に走り出す俺達四人。
後で響く怒号に背を向けて。

その時、シュッと音がして俺の足に何かが当たる。
足元で響く金属音。
見れば、先ほど千賀に突き付けられていた刃物だ。
認識した途端、ふくらはぎの痛みに膝から崩れ落ちた。


「北山くんっ!!!」


千賀の悲鳴が再び響く。
痛みの箇所を見ると、そこから血が流れ出ていた。
ドクドクと流れる赤。

振り返ると、動きが鈍い二人とこちらへ向かってくる二人。
俺の捕縛の歌は、完全に二人の動きを止めることが出来なかったらしい。

横尾さんに支えられている二階堂と、脚を切られた俺。

ヤバいっ!!!

もう一度。
そう思うも、整わない呼吸。

ダメだ。
このままじゃ追い付かれる。

ここまできて。
ここまできて、助けられねぇなんて。
そんなわけいくかっ!!!

俺に力を。
今一度。


赤の縛を─────────。









「来んじゃねぇよ───っ!!!」









叫んだ瞬間。
その声が纏う赤。
ガチッと固まるソイツ等の身体。
北山くん、と叫びながら俺を支えて走り出す千賀。


「四人、いけんじゃん。」


横に並んだ直後に横尾さんの声が聞こえた。

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流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪ヽ(´▽`)/もう、その頭の中で映像が描ける感性が素敵ですねっ(≧∇≦)SIZUKUさんを含め、皆様の妄想力に助けられております、はい(笑)続きも頑張りますo(^o^)o (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ゆうりんさん» はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます(#^.^#)世界観、わかって頂けて嬉しいです♪♪あー…ですよねぇ?(笑)徐々に歪み始めてるのに、全く気付いてないですよね、赤い人(笑)頑張って更新しますので、お付き合いよろしくお願い致します♪ヽ(´▽`)/ (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
SIZUKU(プロフ) - 流華さーーん!このお話が私の頭の中で映像化されていってます。細かな心情や風景の描写が映像を鮮明にしてます。また現実とリンクして私の頭も心も忙しいです笑 続きが楽しみです。移行前にもう一度初めからおさらいしておこうかな。 (2018年3月21日 15時) (レス) id: a2eddefbd9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - はじめまして!壮大なお話でその世界にどっぷり浸かっちゃってます。7人の歌うたいのこれからがきになるとこですが、それよりも藤ヶ谷さんと北山さんの関係が気になって…早く気づいてあげて北山さん!これからの展開も楽しみです! (2018年3月20日 22時) (レス) id: 9cddd8b82f (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ましろさん» ドストライクだなんて、恐縮です(汗)もう、書きたいものを気の向くままにだらだらつらつら書いてるだけですから(^_^;)そんな文章からそこまで感じ取ってくれるましろさんの感性が大好きです♪♪♪続き、頑張りまーすo(^o^)o (2018年3月19日 16時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流華 | 作成日時:2018年3月1日 16時

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