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それに。
沸点は低いかもしれないが、何だかんだ言ってこの男……面倒見がいい気がする。
人からの頼みを無下に断れる人間じゃない気がする。
さっき、俺の切羽詰まった顔を見て怒りの矛先を納めたのがいい証拠だ。
「頼む、横尾さんっ!!!」
「ちょっ、俺は関係ねぇだろっ、」
「だから、頼んでんのっ!!!」
「は!?」
「関係あったら、頼まなくても動いてくれんでしょ？だから、頼むっ!!!横尾さんっ!!!」
「っ!?」
両手を合わせ、拝むように頼む。
これは、勘でしかない。
この人が聞いてくれそうな気がするってのは。
横尾"さん"なんて呼んで、あざといのもわかってる。
でも。
「チッ……案内するだけだからな……。」
「!?……マジ助かるっ!!!」
やっぱり、この人は意外に優しい。
それを表に出すのが苦手なだけで。
不器用だな……なんて、苦笑が漏れた。
「この貸しは高いからな。」
「食堂で奢るっ!!!」
「せめて食堂じゃねぇところにしろっ!!!(笑)」
横尾さんが、少し笑いながら走り出した。
冷静に考えたら、あんまりこの人の笑顔というものを見た記憶はない。
でも、その笑顔は意外にも優しそうに見えた。
横尾さんの声……確か、橙だったよな。
国の経済と産業を一手に担う橙館の長─蘇比様─のあどけない顔が浮かぶ。
七館の長の中で、最も謎な人。
愛らしい顔付きと、周囲も驚くような突飛な経済政策。
その二面性に、何処に本性があるのかわからないような人だった。
横尾さんと……正反対のような気がする。
「おい、あそこ。」
そんな事を考えながら横尾さんの後ろを走っていた。
横尾さんが立ち止まって指を差した先は。
薄暗い路地と、怪しげな看板。
こんなとこ、来てんの!?
そう思った時、更にその奥から微かに悲鳴が聞こえる。
俺の耳が拾ったそれは、横尾さんの耳にも響いたらしく、横尾さんが俺を見る。
俺は走り出して、その細い路地を進んだ。
「お願いっ!!!やめてっ!!!」
曲がり角に差し掛かった時に聞こえた声。
千賀の悲鳴だ。
そして、俺の目に飛び込んできたのは。
二人に押さえ付けられて刃物を突き立てられてる千賀と、ほぼ無抵抗のまま二人がかりで殴られている二階堂の姿だった。
一気に頭に血が昇る。
叫んで走り出そうとしたその時。
俺の口を細い綺麗な手が塞ぎ、身体ごと引き戻された。
「っ!?」
「シッ!!!」
横尾さんが、俺を後ろから抱き込む形で引き留めていた。
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流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪ヽ(´▽｀)/もう、その頭の中で映像が描ける感性が素敵ですねっ(≧∇≦)SIZUKUさんを含め、皆様の妄想力に助けられております、はい(笑)続きも頑張りますo(^o^)o (2018年3月22日 17時) (
レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ゆうりんさん» はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます(#^.^#)世界観、わかって頂けて嬉しいです♪♪あー…ですよねぇ？(笑)徐々に歪み始めてるのに、全く気付いてないですよね、赤い人(笑)頑張って更新しますので、お付き合いよろしくお願い致します♪ヽ(´▽｀)/ (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
SIZUKU(プロフ) - 流華さーーん！このお話が私の頭の中で映像化されていってます。細かな心情や風景の描写が映像を鮮明にしてます。また現実とリンクして私の頭も心も忙しいです笑 続きが楽しみです。移行前にもう一度初めからおさらいしておこうかな。 (2018年3月21日 15時) (レス) id: a2eddefbd9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - はじめまして！壮大なお話でその世界にどっぷり浸かっちゃってます。7人の歌うたいのこれからがきになるとこですが、それよりも藤ヶ谷さんと北山さんの関係が気になって…早く気づいてあげて北山さん！これからの展開も楽しみです！ (2018年3月20日 22時) (レス) id: 9cddd8b82f (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ましろさん» ドストライクだなんて、恐縮です(汗)もう、書きたいものを気の向くままにだらだらつらつら書いてるだけですから(^_^;)そんな文章からそこまで感じ取ってくれるましろさんの感性が大好きです♪♪♪続き、頑張りまーすo(^o^)o (2018年3月19日 16時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流華
| 作成日時：2018年3月1日 16時
