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譜面を忘れた教室に辿り着いた時、中から何処か音程の狂った歌が聞こえてきた。


「??」


中を覗いてみると、そこに見えた薄い影。
俺が忘れた譜面を見ながら、歌っているその姿は。


横尾……?


一人で歌うその影は、時々同じ授業を受けることもあるが、あまり話したことのない横.尾渉だった。
横尾は、先日歌うたいになった奴等とよく連れ立っていたはずだ。

そうか、コイツ……。

いつも連れ立っていた仲間は先日歌うたいになったのだ。
仲間内で、一人だけ取り残されたようなものだ。

…………。

正直なところ、あまり積極的に関わりたい相手じゃない。
横尾は、短気で怒りっぽくて、何かとキレて怒鳴っている姿しか印象にない。
だけど。

一人きりで、必死になって練習しているその姿はひどく寂しげで。

つーか、それ音違うから……(苦笑)


「そこ、音違うよ。」


思わずかけた声に、驚いたように振り返った顔は瞬く間に眉間に皺を寄せて不機嫌な顔になった。
俺は、何も気付いてない顔で隣で歌い始めた。


♪〜♪♪〜〜〜♪〜〜〜


突然歌い始めた俺に怪訝な顔を見せた横尾に笑って目配せをすれば、渋々といった態度で横尾も歌い始めた。


それは不思議な感覚だった。


色が付く。
茜色に染まった教室で。
桃色と橙色が混ざり合って、暖色特有の暖かみのある色合い。

茜色を背景にして描かれる……



美しい─────珊瑚色。



時々狂う音程も、面白くて。
北山の赤との、あの共鳴る感覚とは全く違うのに…でも確かに響き合う俺と横尾の声。

穏やかで柔らかく漂う優しい色。

歌い終えると、横尾の表情も随分と柔らかくなっていた。


「あのさ……」


「……何?」


俺は、自他共に認める人見知りだし、こういうのは得意じゃないけど。
何て言うか、一緒に歌って気持ちが落ち着いたから。


「俺達……俺と北山と玉森と宮田なんだけど、たまに集まって練習したりするんだ……もし良かったら、横尾も……」


「……それ、同情?」


「!?……違げぇよっ、ただ俺はっ、……」


一緒に歌って気持ち良かったから……とか、気持ち悪いか?
でも、それが本音だし……
どう答えたらいいかわからず、慌てふためく俺に横尾は緩く口角を上げて。








「……まぁ、気が向いたら……」

※→←茜色の背中 F



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流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪ヽ(´▽`)/もう、その頭の中で映像が描ける感性が素敵ですねっ(≧∇≦)SIZUKUさんを含め、皆様の妄想力に助けられております、はい(笑)続きも頑張りますo(^o^)o (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ゆうりんさん» はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます(#^.^#)世界観、わかって頂けて嬉しいです♪♪あー…ですよねぇ?(笑)徐々に歪み始めてるのに、全く気付いてないですよね、赤い人(笑)頑張って更新しますので、お付き合いよろしくお願い致します♪ヽ(´▽`)/ (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
SIZUKU(プロフ) - 流華さーーん!このお話が私の頭の中で映像化されていってます。細かな心情や風景の描写が映像を鮮明にしてます。また現実とリンクして私の頭も心も忙しいです笑 続きが楽しみです。移行前にもう一度初めからおさらいしておこうかな。 (2018年3月21日 15時) (レス) id: a2eddefbd9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - はじめまして!壮大なお話でその世界にどっぷり浸かっちゃってます。7人の歌うたいのこれからがきになるとこですが、それよりも藤ヶ谷さんと北山さんの関係が気になって…早く気づいてあげて北山さん!これからの展開も楽しみです! (2018年3月20日 22時) (レス) id: 9cddd8b82f (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ましろさん» ドストライクだなんて、恐縮です(汗)もう、書きたいものを気の向くままにだらだらつらつら書いてるだけですから(^_^;)そんな文章からそこまで感じ取ってくれるましろさんの感性が大好きです♪♪♪続き、頑張りまーすo(^o^)o (2018年3月19日 16時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流華 | 作成日時:2018年3月1日 16時

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