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ねぇ北山。
誰にも見せないその心の奥を。
前に向かって進んでいるはずなのに、遠くなっていくような気さえする歌うたいへの道。
それが、どうにもならない焦燥を生んで……壊れそうになっている心の奥を俺に見せて。


どうしたら虹の祝福が受けられるかは、誰にもわからない。
そこには何の力も介入しない。
でもそれは裏を返せば、何がダメなのかもわからないということと同意だ。

今日、虹の祝福を受けたアイツら。
アイツらにあって、俺にはないものって何だ?
わからなくて、ただ悔しい思いだけが降り積もっていく。

俺と北山は、この虹の祝福の儀式で何度落胆の溜め息を吐いてきたかわからない。
それでも……それでも、北山は腐ることなく、俺を励まし鼓舞し前を見つめ続けた。
あの背中があったからこそ、俺はまだこの学舎に居続けることが出来る。

その北山が……揺らいでいる。

俺の前で、たぶん初めて。
北山が。


「……北山、大丈夫?」


「……なにが……?」


そうやって、俺の問いにわからないという顔をする北山。
いいよ、それならそれで。
無理に暴きたいわけじゃない。
強いお兄ちゃんじゃない、甘やかしてくれる年上の恋人でもなく。
本当は、甘えたで、寂しがりな。




俺だけの─────────。




ふわりと伸ばされた北山の手が俺の髪に触れる。
その手は少しだけ震えて。
ゆっくりと滑り降りて、俺の頬に触れた。

冷たい指先。

その心と同様に冷えた指先。
いつもなら、その体温は俺よりもずっと熱いはずなのに。
温めたいと、心の底から思う。

そして上げた顔。
絡む視線。

俺を見上げる朧気な視線にいつもの強さはない。
いつも前だけを見据える光る双眸は、震えるほどの心許なさを孕んでいた。
迷子の瞳。
俺を見上げる北山の瞳にあの揺らぎが見える。

理由なんて、わかりすぎるくらいわかってる。
抱えているものは、きっと同じ。
でも俺は……どうかしてるのかもな。
今は……その指先を温めることの方が、大事な気がしてる。

俺が見つめるその中で、俺の視線に居心地悪そうに朱を注ぐその姿。
俺を組敷いて男の色気を纏って笑ういつもの北山じゃない。
いつもとは違う、儚げな空気を纏うその姿に、湧き上がる衝動は。








可愛い……









北山が、可愛い──────。

※→←虹の祝福 F



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流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪ヽ(´▽`)/もう、その頭の中で映像が描ける感性が素敵ですねっ(≧∇≦)SIZUKUさんを含め、皆様の妄想力に助けられております、はい(笑)続きも頑張りますo(^o^)o (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ゆうりんさん» はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます(#^.^#)世界観、わかって頂けて嬉しいです♪♪あー…ですよねぇ?(笑)徐々に歪み始めてるのに、全く気付いてないですよね、赤い人(笑)頑張って更新しますので、お付き合いよろしくお願い致します♪ヽ(´▽`)/ (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
SIZUKU(プロフ) - 流華さーーん!このお話が私の頭の中で映像化されていってます。細かな心情や風景の描写が映像を鮮明にしてます。また現実とリンクして私の頭も心も忙しいです笑 続きが楽しみです。移行前にもう一度初めからおさらいしておこうかな。 (2018年3月21日 15時) (レス) id: a2eddefbd9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - はじめまして!壮大なお話でその世界にどっぷり浸かっちゃってます。7人の歌うたいのこれからがきになるとこですが、それよりも藤ヶ谷さんと北山さんの関係が気になって…早く気づいてあげて北山さん!これからの展開も楽しみです! (2018年3月20日 22時) (レス) id: 9cddd8b82f (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ましろさん» ドストライクだなんて、恐縮です(汗)もう、書きたいものを気の向くままにだらだらつらつら書いてるだけですから(^_^;)そんな文章からそこまで感じ取ってくれるましろさんの感性が大好きです♪♪♪続き、頑張りまーすo(^o^)o (2018年3月19日 16時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流華 | 作成日時:2018年3月1日 16時

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