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「ん、っ……はぁ、……き、たーまっ……ん、待っ……」
キスの合間から漏れる吐息が促す制止は、か細く。
それが更に俺を煽る。
絡めた舌を吸い上げて、俺の咥内へと藤ヶ谷を導いて。
思う様に藤ヶ谷を味わう。
もっと。
そう思った時、藤ヶ谷がとんとんと胸を叩いて限界を告げる。
ゆっくりと藤ヶ谷の舌を解放して、その顔を覗き込めば、瞳に水の膜をうっすらと浮かべて。
「っ……はぁ……きたーま、待って……。」
「嫌か?」
我ながら狡い聞き方だと思った。
表情を見れば、嫌じゃないことくらいはわかってる。
性急すぎるのも。
でも、もう限界だ。
どうしようもないほどに、藤ヶ谷が欲しい。
この甘さを、もっと。
「嫌じゃ……ないけど……怖、い……」
少しだけ、瞳に不安の影を揺らめかせて。
それがどうにも加虐心を煽るから、ゆっくりと深く呼吸をして熱を空気に溶かして逃がす。
怖がらせたいわけじゃない。
そんな思いを込めて、藤ヶ谷を抱き寄せて額に頬に、涙の滲む瞼をキスを落として。
「好きだよ、藤ヶ谷。」
言葉を紡ぐ。
その心に届くように。
想いを言葉に。
誰よりも愛しいオマエに。
勢いに任せて全てを奪ってしまいたい思いと、大事に大事に優しくしたい思いが、胸の内で交錯する。
「だから、全部、欲しい。」
オマエの全てが。
欲しい──────。
意を決したような瞳で、藤ヶ谷がゆっくりと頷いた。
甘い甘い夜だった。
濡れた吐息と、漏れる嬌声がまるで歌っているようで。
艶めいた肌が熱を持って揺れる。
愛しくて泣けることを、初めて知った。
蕩けるほどに熱く。
これ以上ないほどに甘く。
溶け合うように、俺は初めて藤ヶ谷を抱いた。
眩暈がするほど、愛してた─────。
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流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪ヽ(´▽`)/もう、その頭の中で映像が描ける感性が素敵ですねっ(≧∇≦)SIZUKUさんを含め、皆様の妄想力に助けられております、はい(笑)続きも頑張りますo(^o^)o (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ゆうりんさん» はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます(#^.^#)世界観、わかって頂けて嬉しいです♪♪あー…ですよねぇ?(笑)徐々に歪み始めてるのに、全く気付いてないですよね、赤い人(笑)頑張って更新しますので、お付き合いよろしくお願い致します♪ヽ(´▽`)/ (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
SIZUKU(プロフ) - 流華さーーん!このお話が私の頭の中で映像化されていってます。細かな心情や風景の描写が映像を鮮明にしてます。また現実とリンクして私の頭も心も忙しいです笑 続きが楽しみです。移行前にもう一度初めからおさらいしておこうかな。 (2018年3月21日 15時) (レス) id: a2eddefbd9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - はじめまして!壮大なお話でその世界にどっぷり浸かっちゃってます。7人の歌うたいのこれからがきになるとこですが、それよりも藤ヶ谷さんと北山さんの関係が気になって…早く気づいてあげて北山さん!これからの展開も楽しみです! (2018年3月20日 22時) (レス) id: 9cddd8b82f (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ましろさん» ドストライクだなんて、恐縮です(汗)もう、書きたいものを気の向くままにだらだらつらつら書いてるだけですから(^_^;)そんな文章からそこまで感じ取ってくれるましろさんの感性が大好きです♪♪♪続き、頑張りまーすo(^o^)o (2018年3月19日 16時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流華 | 作成日時:2018年3月1日 16時