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「何か……ちょっと怖いね……。」
俺は呟いた藤ヶ谷の手を取って、怖くないよと言い聞かせるように、ゆっくりと握って歩き始めた。
コツンコツンと響く下り階段。
降りきった所に再び現れる扉は、同じ鍵で開いた。
部屋に明かりを灯すと、そこは。
「わぁ……」
俺と藤ヶ谷の部屋の倍ほどの広さのあるその部屋は、長らく使われていなかったとは思えないほどに綺麗に保たれていた。
3人が掛けられそうな長椅子が向かい合わせに二つ。
肘おきの付いた一人掛けの椅子が二つ。
ぐるりと低めの大きな机を囲むように配置されていた。
そう大きな部屋じゃない。
探検なんて大袈裟なものじゃなく部屋を見回して。
奥にある貰った鍵では開かない扉が少しだけ気にはなったが、二人で椅子に座って視線が絡めばすぐに気にならなくなった。
「キス、してい?」
「っ……また、聞く、の?」
正直、色んな意味で限界だった。
気持ちを確かめ合って、ただ藤ヶ谷に触れたくて。
けれど、静かにしていれば隣の息遣いさえも聞こえそうな薄い壁の寄宿棟の部屋では触れ合うにも限界があって。
毎夜、寄り添うように眠るだけで爆発しそうだった想い。
「キスしたら……たぶん、止まんねぇから……」
欲しくて。ただ藤ヶ谷が欲しくて。
そんな俺の言葉に、藤ヶ谷は頬を朱に染めて顔を背ける。
そんな初々しさに俺の理性は呆気なく崩壊した。
「んん──っ……」
引き寄せて、腕の中に閉じ込めて。
最初から舌を捩じ込んだ。
驚いたように奥に引っ込む藤ヶ谷の舌を自分のそれで絡め取る。
交わるそれに、更に熱が上がる。
藤ヶ谷……。
藤ヶ谷……。
その熱を止める術を俺は知らない。
沸き上がる衝動の様な、狂暴なまでの劣情。
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流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪ヽ(´▽`)/もう、その頭の中で映像が描ける感性が素敵ですねっ(≧∇≦)SIZUKUさんを含め、皆様の妄想力に助けられております、はい(笑)続きも頑張りますo(^o^)o (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ゆうりんさん» はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます(#^.^#)世界観、わかって頂けて嬉しいです♪♪あー…ですよねぇ?(笑)徐々に歪み始めてるのに、全く気付いてないですよね、赤い人(笑)頑張って更新しますので、お付き合いよろしくお願い致します♪ヽ(´▽`)/ (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
SIZUKU(プロフ) - 流華さーーん!このお話が私の頭の中で映像化されていってます。細かな心情や風景の描写が映像を鮮明にしてます。また現実とリンクして私の頭も心も忙しいです笑 続きが楽しみです。移行前にもう一度初めからおさらいしておこうかな。 (2018年3月21日 15時) (レス) id: a2eddefbd9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - はじめまして!壮大なお話でその世界にどっぷり浸かっちゃってます。7人の歌うたいのこれからがきになるとこですが、それよりも藤ヶ谷さんと北山さんの関係が気になって…早く気づいてあげて北山さん!これからの展開も楽しみです! (2018年3月20日 22時) (レス) id: 9cddd8b82f (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ましろさん» ドストライクだなんて、恐縮です(汗)もう、書きたいものを気の向くままにだらだらつらつら書いてるだけですから(^_^;)そんな文章からそこまで感じ取ってくれるましろさんの感性が大好きです♪♪♪続き、頑張りまーすo(^o^)o (2018年3月19日 16時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流華 | 作成日時:2018年3月1日 16時