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序章:紅の旋律 ページ1

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そこは、歌が力を持つ世界。
美しい歌。強い歌。癒しの歌。
歌声こそが力の根源。
街は、明るい音と笑い声に溢れて。
人々は笑いながら皇帝陛下の歌を讃えていた。

皇帝の歌は、虹色を纏う。
極彩色の虹色の歌声。
それは、天候を安定させ厄災より地を守り、世界の繁栄を支える。

この世界の皇帝は、世襲ではない。
ただ、選ばれるのだ。
どういう状況で選ばれるのかも、選考基準も誰にもわからない。
ただ、ある日突然歌声が色を持つのだ。
虹色に。

その瞬間、その人間は次代の皇帝として定められる。

それまで、どういう生き方をしてきたか、出自はどうなのかは一切関係はない。
つまり、選ぶのは人ではない。



しいて言うならば……

天が選ぶ───────。



そして、この世界には"歌うたい"と呼ばれる宮廷楽団がいる。
皇帝ほどではないにしろ、色を纏う歌が歌える者達の集まりだった。
次代の皇帝は、ほとんどがこの歌うたいの中から選出される。
そして、新しい皇帝が立つと、それに伴い七官の長が全て代替りする。
新しい皇帝と共に育った歌うたい達が、その役を担うのだ。
それは、官が皇帝より力を持たぬ為の習わしだった。


いわば、歌うたいは国の(いしずえ)である。


歌うたいは、自薦他薦は問わない。
幼い頃、近しい者に推挙された者。
自ら、歌うたい見習いの集まる学舎の門を叩いた者。
もちろん、全ての者が歌うたいになれる訳ではない。
ふるいに掛けられ、日々の鍛練の元に歌を習得し、尚且つ虹色に選ばれた者だけが歌うたいを名乗れるのだ。

皇帝と共に育った歌うたいは、皆国の中枢を担っており武官文官として現王朝を支えていく。
武官文官を含め、国の中枢を担う官は七官。
故に、常ならば七人の官僚が存在する。
諸事情により長らく空位であった武官の長─(くれない)─の席が今日埋まる。


「北 山宏光、これへ。」


「はっ。」


ゆっくりと歩く緋毛氈。
玉座を前に、膝を付き頭を垂れる。
頭上から響く虹の声は、我らが皇帝陛下。


「そなたを、紅に任じる。国の為、我の為に、尽力せよ。」


「はっ。」


与えられる紅の称号。
歌うたいを夢見た日々が、走馬灯のように頭を過る。
この時を、共に喜びたかった人は……









もう、いないけれど─────。

※→



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流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪ヽ(´▽`)/もう、その頭の中で映像が描ける感性が素敵ですねっ(≧∇≦)SIZUKUさんを含め、皆様の妄想力に助けられております、はい(笑)続きも頑張りますo(^o^)o (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ゆうりんさん» はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます(#^.^#)世界観、わかって頂けて嬉しいです♪♪あー…ですよねぇ?(笑)徐々に歪み始めてるのに、全く気付いてないですよね、赤い人(笑)頑張って更新しますので、お付き合いよろしくお願い致します♪ヽ(´▽`)/ (2018年3月22日 17時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
SIZUKU(プロフ) - 流華さーーん!このお話が私の頭の中で映像化されていってます。細かな心情や風景の描写が映像を鮮明にしてます。また現実とリンクして私の頭も心も忙しいです笑 続きが楽しみです。移行前にもう一度初めからおさらいしておこうかな。 (2018年3月21日 15時) (レス) id: a2eddefbd9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - はじめまして!壮大なお話でその世界にどっぷり浸かっちゃってます。7人の歌うたいのこれからがきになるとこですが、それよりも藤ヶ谷さんと北山さんの関係が気になって…早く気づいてあげて北山さん!これからの展開も楽しみです! (2018年3月20日 22時) (レス) id: 9cddd8b82f (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ましろさん» ドストライクだなんて、恐縮です(汗)もう、書きたいものを気の向くままにだらだらつらつら書いてるだけですから(^_^;)そんな文章からそこまで感じ取ってくれるましろさんの感性が大好きです♪♪♪続き、頑張りまーすo(^o^)o (2018年3月19日 16時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流華 | 作成日時:2018年3月1日 16時

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