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「太輔?」


「・・・ん?」


「ミツと、何かあった?」


懸念通りの言葉が渉から降ってくる。
俺は箸を止めて、視線はあちこちへと飛ぶ。
どう説明したらいいのかわからない。
そもそも、軽々しく言葉に出来ることでもない。


「何もなかった・・・わけじゃない、けど・・・」


「言いたくない?」


「そう言うんじゃなくて・・・」


頭の中で言葉を探す。
何もなかったわけじゃないけれど、これは俺と北山の間の話だ。
けれど、外へ漏れてしまったらグループの根幹に関わる話かもしれなくて。
それであれば渉に話しておくことは悪いことじゃないような気もするけれど。
けれど。


「何もなかったわけじゃないけど、今はまだ説明することも出来ない。」


結局、俺の口から漏れ出た言葉は正直にも程があるもので。
渉はそんな俺の言葉に苦笑を溢した。


「正直すぎない?」


「まぁ、でも渉に嘘つくのは嫌だし・・・」


「わかったわかった。」


言葉を重ねようとする俺を宥めるように渉は笑う。
必要以上に言葉を重ねなくて良いのは、やはりこの培ってきた距離感なのだろう。
北山とは違う位置で、渉は俺にとって欠かせない。
前から引っ張られたり背中を押されたりするのが北山だとするならば、渉はいつも隣で寄り添ってくれた。


「ミツに告白でもした?」


「っ!?」


「え、嘘。太輔、気が付いたのっ!?」


「!?!?!?!?」


は?

冗談混じりにニヤついた渉の揶揄するような言葉に、図星すぎて息を呑んだ俺。
それを見た渉の反応・・・。
俺達は驚いて互いの顔を凝視していた。
二人揃って、驚きに目を見開いた顔で互いを見ているこの様は、端から見たら相当に滑稽だろう。
けれど、俺は渉の言葉が理解出来ない。



今、渉は、なんて言った?

なんて、言った?



「わ、た・・・?」


「えっと、ごめん、ちょっと混乱してる・・・。」


「・・・たぶん、俺も・・・。」


とりあえず落ち着こうと、グラスの中の烏龍茶を一口飲んだ。
飲むために持ち上げたグラスから結露が伝って、テーブルに丸い水の跡が残っているのをぼんやりと見つめてしまう。
意味もなく、その丸い跡にぴったりと合わさるようにグラスを戻した。
グラスをテーブルに置いた音が、妙に大きく響いて。









「太輔・・・ミツを、好きなの、自覚したの?」









恐る恐るといった雰囲気でありながら、渉は容赦なく爆弾を放り込んだ。


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流華(プロフ) - sioriさん» 一番乗りコメント、すごい嬉しいです♪♪やっぱりここを少しだけスクロールすると「作成日時」が残るじゃないですか。その日付を残したくて(笑)素敵な恋!?(笑)んー・・・素敵な恋もそれなりにありましたけど、素敵じゃない恋もたくさんありましたよ(笑) (2021年9月18日 23時) (レス) id: 9ee96bd060 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - 流華さん、やった!1番(笑)北山くんの誕生日に続編を更新してくれて嬉しいです!そしてやっぱり流華さんの言葉選びが本当に大好き。どんな素敵な恋をしてきたんですか?(笑)ふふ。この先どうなっていくのか楽しみです! (2021年9月17日 18時) (レス) id: 2b4c1e0fcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流華 | 作成日時:2021年9月17日 18時

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