艶美な微笑の裏側に【中原中也】 (ページ38)

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『っは！．．はぁっ、はぁっ、．．．ゆ、め？』

今見たのは夢だったのか。最悪な夢だ。寄りにもよって今．．．。

いや、それどころじゃない。
私、潜入先から逃げ出して．．．河川敷で意識を失って．．．。

今いるのは、和室だ。

『どこ、ここ．．．？』

どうして？
背中がひやりとした。

その時、

「おはよう、A。起きたのかい。」

私に、どこか懐かしい声がかけられた。

声のした方を向く。

『！．．．．．．治？』

治＿＿＿＿＿太宰治がいた。

「うん。Aが言う通り、治だよ。四年ぶりだね。凄く綺麗になったね。」

予想外の展開に、私の体は動かない。

治は、私の同期だった。
私は、彼がポートマフィアを抜けた原因も知っていた。

「大丈夫かい、A。その様子だと、任務はやり遂げたが力尽きたみたいだね。」

『．．．っ！鞄．．。黒い鞄はっ。』

「此処にあるよ。大丈夫だ。何も盗んだりなんかしていない。

ねえ、A。少し話でもしないかい？」

私の頭は、いろんな感情が混ざっていて、頭痛がした。

深呼吸をした。

そして、もう一度、寝ていた布団に倒れ込んだ。

『．．．うん、いいよ。』

「ついでにもう少し、休んでいきたまえ。」

治は、静かに笑ったかと思うと、私に優しくそう言った。