艶美な微笑の裏側に【中原中也】 (ページ30)

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twenty-nine ページ30

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私は目をふさがれ、手を頭上で縛られている。
これでは異能力が発動できない。

如何この現状を打破すればいいのか、頭を働かせていた。

異能力が発動できれば、この男を眠らせ、証拠をかっさらって逃げればいいだけだ。

だが、このままでは、一波乱必要となりそうだ。

嗚呼、いやだいやだいやだいやだ。

気持ち悪い、触らないで。

でも、疑われてはいけない。

魅せろ。そして、機会を作り、そこに入り込め。

東は、ソファに私を押し倒し、私の上にまたがる。

そして私のブラウスの牡丹は外していく。
背筋がぞくぞくする。
これは、生理的反応だ。抑えられない。

「善い子だ。そのまま身を委ねなさい。」

誰が委ねるものか。そんな悪態を心の中でつき、好機を作るために動く。

『あのっ、目隠しか手を外してもらえませんか。私、怖くてっ．．．』

泣きそうな声ですがってみる。

「．．．そうだな。私が満足したらいいだろう。大丈夫。痛くなんかしないから。」

嗚呼失敗。首領というものは、変な性癖を持っているものなのだろうか。

これではもう、私のこれからの末路は決まったも同然だ。

怖い。嫌だ。気持ち悪い。

＿＿＿＿＿中也。助けて。

私の頭がごちゃごちゃになってきているのを自覚した私は、もう一度理性を呼び戻し、喝を入れた。

男が満足するまで逃げられないのなら、男を早く満足させればいい。

魅せるんだ。