艶美な微笑の裏側に【中原中也】 (ページ14)

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No side

コツコツと、パンプスの音を響かせ廊下を歩く女性が一人。

タイトスーツはその整った体を強調している。

まとめ上げられた艶のある髪によって魅せられるうなじは、色気をも感じさせる。

その女は、資料を片手に、課長室と書かれている扉の前に立ち止まる。

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『失礼します、課長。遅くまでご苦労さまです。実は、この資料について聞きたいことがあるのですがよろしいでしょうか。』

私は、対象へ接触するべく、社員のふりをし、今ここにいる。

ここからが正念場だ。

「嗚呼、君こそ遅くまでご苦労様。何の資料だい？」

『先月の業績についてのものなのですが．．．少し見ていただけませんか。』

私が対象に近づくと同時に、対象も立ち上がり近寄ってきた。

もう一度言うが、私の異能力は発動する相手に触れ、目を合わさなければいけない。

『あっ』

「おっと、大丈夫か。」

私は、躓いたふりをして、対象にしがみ付く。

＿＿＿＿＿＿＿これで、私の異能力は発動する。

『ええ、ありがとうありがとうございます。』

相手が目をそらさないよう、自分を魅せるんだ。

『課長．．．．．．．．倒れて。』

私は、隙を見て体術と異能力でターゲットを押し倒す。

『課長．．．、いえ、小林雄介。あなたはポートマフィアの情報を手にしているのは把握済みです。』

「っ！なんだ貴様！ポートマフィアの人間か！」

『しーっ、お静かに。短い命を余計に短くしたくはないでしょう？少し静かにして、私の目を見て。』

「っ！」

私は異能力を発動した。
彼は言葉を発することができないし、私から目をそらせない。

こうなれば、こっちのものだ。