二十八話 ページ31
(はぁ……剣って、
重いんだなぁ)
初級魔法から始まった講義は、歴史学、
精神学と続き、剣術が今さっきやっと
終わったところだった。
ルイくんは初級魔法の時にいなくなって
から戻ってくる気配はなく、リオとも
途中で別々になってしまい、疲れだけを
お供に寮へと戻ってきていた。
(リオから貰った時間割表だと、
夕食の後にまだ講義があるみたいだけど…)
授業項目だけの記載で、詳しい時間は
把握できない。
一体この世界では何時まで
勉強しなければならないのだろうか？
(こんなことしてないで、昨日の
フードの人＿＿ここの学院長と話が
したいのに)
一応、剣術担当のハーク先生に
聞いてはみたのだ。
ハーク「あん？学院長と話がしたい？」
マユ「はい………。ちょっと、
聞きたいことがあって」
ハーク「わかった。まあ見かけたら
伝えとくわ」
マユ「あの、今からとかは無理
なんでしょうか？」
ハーク「あの人のことは、よく
分かんないからなー。
それはあの転入生もだがな。
まあ、自力で捕まえられるなら、
いいんじゃねーか？」
(無理そうだから聞いてるんです、
先生……)
学院長は、『私の存在が魔界を揺るがす』
とか、他にも色々と怖いことを
言っていた。
(だからなんとなくリオとか昨日の
五人には、帰る方法について
聞き難いのに……)
マユ「……はぁ。とりあえず、ショコラの
ご飯を貰いにいこう。
ルイくんも、探さないとだし…」
ショコラとの束の間の休息を終えて、
自分の夕飯のために再び食堂へと
やってきた。
(混んでるな……座れそうな席が
ほとんどない＿＿＿あ、リントさん)
テーブルには、パンをのんびりとした
仕草で食べる彼一人しかいなかった。
軽く『ラッキー』だと考えて、私は
リントさんに近付いていく。
リント「＿＿あ、マユ」
マユ「こんばんは、お昼ぶりですね。
向かいの席、座っても大丈夫ですか？」
こくりと頷かれたので、安堵しつつ
椅子を引いた。
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