太陽のふるさと２８ ページ38
A｢えっと…だから、なんかある度にわたし…っ、みんなに助けてもらって…私には…、何の力もないわけ…でっ、｣
岩泉｢A、まどろっこしいこと言わねーで普通に吐き出せよ｣
A｢…うぅっ、うわーーーん！！｣
仕方ねーなみたいな顔で笑う岩泉に、遂に心に留めいたダムが決壊し、私は両手で顔を覆って泣き出した。
A｢結婚して、子供産んでたらさぁっ、うじうじなんて…、できないじゃん…！自分で考えて…決断して、責任持って、そうやって…やってかなきゃいけないわけじゃん…！いつもこれでいいのかなって、間違ってないかなって、わたし…うわーーーん！！｣
国見｢アラサーが泣き喚かないでください｣
A｢容赦ないよーー！！｣
花巻｢おい。レイが起きるだろ｣
及川｢あ、大丈夫。Aちゃんに似て、一回寝付くとなかなか起きないから｣
楽しいこと嬉しいことはたくさんあって、私は幸せだった。でも、人生それだけじゃない。その反面、苦しいことを飲み込んできた。どこかで気を張ってきた。
松川｢A。お前はさ、及川の奥さんとか、優秀な通訳者とか、一児の母親とか、色んな顔を持ってるわけだけどさ、俺にとったらお前は高校の時に出会った友達のAだよ｣
丁寧に言葉を紡ぐ松川に、私はゆるゆると顔を覆っていた両手を下ろす。松川は心の染み入るような優しい笑顔を私に向けていた。
松川｢Aっていう一人の、バカでお人好しな人間。だから、力抜いて甘えたらいいじゃん｣
花巻｢要約すると、ババアだって泣きたい時は泣けってことな｣
A｢ジジイがババアって言うな！！｣
真夜｢要約の意味勉強し直してきたらどうですか？｣
国見｢…飲み物買ってこよ｣
金田一｢国見は終わった終わったみてーな顔すんな！！｣
不安な気持ちや辛い思いに、何度も押し潰されてきた。それでも顔を上げて周りを見渡せば、大切な人達が手を差し伸べてくれた。愛しい人達、愛しい日々は私を支えてくれたから、私はこうして今、幸せでいられる。
大好きなみんなに囲まれて、私は子供のようにわあわあと声をあげて泣く。みっともなくてもいい。今だけはどうか、子供だったあの頃の私の姿に戻らせて。
ーーここは、私のふるさと。
ずっと前を向いて進み続けなくたっていい。立ち止まったり、戻ったりしてもいい。そうやって悩んで、考えて、選び取っていくことが、自分自身を作るということを教えてくれた、私の温かい陽だまりの場所。
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スナック杏月(プロフ) - ゆんさん» ゆんさんいつもコメントありがとうございます！そして最後まで見届けて頂き本当に励みになりました！私もほっとしたような寂しいような心境です😢国見ちゃん×後輩ちゃん話でも最後まで飽きずに着いてきて頂けるようなお話を丁寧に綴っていけたらと思います🥰 (2023年1月28日 0時) (
レス) id: 011dd4e45f (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - あぁぁ😭ついに一番好きなシリーズが完結してしまった😭💕嬉しいような寂しいような、、、でも次の国見ちゃんの話を楽しみに生きていきます🥺 (2023年1月27日 0時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
スナック杏月(プロフ) - なぅさん» 遅れあけましておめでとう！今年はまったりと執筆していくので気長にお付き合いよろしくね🥲 (2023年1月12日 12時) (レス) id: 011dd4e45f (このIDを非表示/違反報告)
なぅ(プロフ) - 𝐻𝑎𝑝𝑝𝑦 𝑁𝑒𝑤 𝑌𝑒𝑎𝑟☆占い師及川愛す𝐟𝐨𝐫𝐞𝐯𝐞𝐫☆ (2023年1月2日 1時) (レス) @page43 id: 061659d46e (このIDを非表示/違反報告)
スナック杏月(プロフ) - おもちさん» おもちさんお久しぶりです！私も長らく占ツクを離れており、最近執筆再開をしました😢おかえりなさい！素敵な作品が多い中最初に開いてくれて嬉しいです😭温めてきた二人のお話を最後まで丁寧に綴っていきますので最後までお見届けよろしくお願いします！ (2022年12月24日 2時) (レス) id: 011dd4e45f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スナック杏月 | 作成日時：2022年4月7日 1時
