落ちたら上がるだけ ページ21
▲▼岩泉 side
帰国してからというもの、なかなか夜に寝付けないでいるAは、俺ん家のソファで寝息を立てていた。
あぁまた寝落ちしたか、と思う程には日常になっていて、ソファの背もたれに身を預けていたAの身体を横に倒すと、毛布を掛けてやる。
真夜｢…さっきA先輩から話聞きました。ゴリラの話は岩泉先輩づてに聞きましたけど、両方から聞かないと分からないこともありますし｣
Aの寝顔を見つめていた真夜は苦い顔を浮かべた。
真夜｢話聞くと改めてムカつきますね。青城にいた時からちっとも変わってないです、あのゴリラは…｣
岩泉｢あー…お前よく及川のケツ叩いてたよな｣
真夜｢はい？ゴリラ先輩の汚いケツなんて叩いた覚えないんですけど｣
岩泉｢物理的な意味じゃねぇよ｣
真夜｢分かってますよ。…ていうかあのゴリラ、A先輩のこと引き留めればよかったのに…｣
真夜が苛立ったようにチッと大きく舌打ちを落とすと、このメンバーの中で一番達観している松川が口を開いた。
松川｢及川は優しいからブレーキ掛けちゃったんでしょ。Aがちゃんと幸せになれるようにって｣
真夜｢だから手放したって？間違ってるじゃないですか｣
真夜は松川の言葉に眉をひそめ、手に拳をぎゅっと握って顔を俯かせる。
真夜｢…だって、A先輩の一番の幸せは及川先輩といることですよね？｣
そう言った真夜の声は震えていた。
怒りからか、やるせなさからか。
泣きそうになってんのかと心配しかけたその時、真夜は顔をあげる。
その瞳には涙など一切無く、強く心に決めたような、真っ直ぐな目をしていた。
真夜｢私、頼りない先輩方の代わりにでしゃばるんで｣
視界の端で国見が目を細めた。
まるでこうなることを予期していたようにふっと小さく笑っていた。
松川｢余計にあいつら傷つけることになってもいーの？｣
真夜｢今が最低なのにこれ以上状況が悪くなることなんてあります？落ちるところまで落ちたら、あとはもう上がるだけですよ｣
つくづく思う。
真夜の真っ直ぐなところはAにそっくりだ、と。
任せようと思った。
こいつはここにいる誰よりもAと付き合いが長く、ずっと見守ってきた。
そして誰よりもあいつのことを大事に想っている。
岩泉｢思う存分あいつに言ってやってくれ｣
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於音###(プロフ) - 最高でした。泣きました。笑いました。秒で読んでしまいました。青城最高！及川最高！後輩ちゃん最高！！素晴らしい作品をありがとうございました🥰🥰 (2月29日 1時) (
レス) @page49 id: 44bf006712 (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - あめさん» あめさんこんばんは！コメントありがとうございます！超絶長編作品を最後まで読んで頂くどころか泣いてくれるなんて…バチクソ嬉しいです🥺番外編についてですが、そろそろ鍵を外す予定でしたので、先程全体公開の方させて頂きました。確認お願いします。 (2022年3月20日 2時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
あめ - とても面白かったです！ちょっと泣いちゃいました…((続編のパスワードってなんですか…？是非読ませていただきたいのですが… (2022年3月19日 20時) (レス) @page50 id: aca36a2c7b (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - 善さん» 善さんコメントありがとうございます☺️good boyに思わずワロてしまいましたwwそして、親戚の犬の褒め方がgood boyだったなと懐かしくなりました。 (2022年2月24日 19時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 諦めない侑に、good boy (2022年2月24日 19時) (レス) @page49 id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スナック杏月 | 作成日時：2021年8月18日 9時
