過大評価しすぎていた ページ20
▲▼松川 side
誰だって色々あって心が折れることもある。
でも過ぎ去ったことをいつまでも考えたって何も解決しないでしょ。
どうにもならないから凹んでるんでしょ。
なら、そこから離れようよ。
どうにもならないからこそ手放す。投げ捨てる。消せる記録は消す。視界と頭の外に放り投げる。
そうしていればいつかは現実を受け入れてまた歩き出せるはずだから。
どんなに辛いことがあってもAにはそこに辿りつける力がある。折れない強い心がある。
松川｢そう思ってたんだけどなぁ｣
長いため息を吐き出しながら、岩泉家のソファで膝を抱えているAを見つめた。
ーー“ガールズトークするのでヤロー共はあっち行っててください！“
だいぶ前にそう言った真夜と、今日も瞼を赤く腫らしたAは何やら真剣な顔で話をしていた。
あらかた及川の話でもしているんだろう。
花巻｢何？独り言？｣
松川｢…いや、Aってあんな弱かったっけって思って｣
花巻｢あー…ホントになぁ｣
花巻は相槌を打つと、俺と同じようにしてAに視線を向けて、苦い顔を浮かべた。
国見｢…何言ってるんですか。あの人めちゃくちゃ弱いじゃないですか。先輩達がまだ青城にいる頃、あの人が泣いてんの何回見たことか…｣
仮にも先輩の、岩泉の家にも関わらずゴロゴロしていた国見が大きくあくびをかましながら言った。
いや、べつに縦社会とか俺どーでもいいんだけど、リラックスしすぎだろ。自分の家か。
岩泉｢泣いてるだけならまだマシだわ｣
花巻｢…と言うと？｣
岩泉｢あいつ言わねーとメシ食わないんだよ。放っておいたら飢え死にするぞ｣
花巻｢廃人じゃん｣
ーー“廃人”。
何ともしっくりくる表現。
俺はAの芯の強さを過大評価しすぎていた。
Aはいつもバカなことばかりして笑っていたから、その裏に隠れていたネガティブな部分を見落としていた。
Aは及川のことを思い出にして歩いて行くことなんかできない。
バカみたいに真っ直ぐに及川のことを好きだったからこそ、立ち直るなんてできない。
金田一｢…俺、A先輩のあんな姿見てるの辛いっすよ。何とかできないんですかね…｣
できたらとうにしてる。
岩泉でさえどうにもできないこの現状を変えることが出来るやつなんてここにはーー、
真夜｢…もう我慢ならないです、私｣
顔を向けるとそこには、苛立ったように片手で額を押さえる真夜の姿があった。
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於音###(プロフ) - 最高でした。泣きました。笑いました。秒で読んでしまいました。青城最高！及川最高！後輩ちゃん最高！！素晴らしい作品をありがとうございました🥰🥰 (2月29日 1時) (
レス) @page49 id: 44bf006712 (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - あめさん» あめさんこんばんは！コメントありがとうございます！超絶長編作品を最後まで読んで頂くどころか泣いてくれるなんて…バチクソ嬉しいです🥺番外編についてですが、そろそろ鍵を外す予定でしたので、先程全体公開の方させて頂きました。確認お願いします。 (2022年3月20日 2時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
あめ - とても面白かったです！ちょっと泣いちゃいました…((続編のパスワードってなんですか…？是非読ませていただきたいのですが… (2022年3月19日 20時) (レス) @page50 id: aca36a2c7b (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - 善さん» 善さんコメントありがとうございます☺️good boyに思わずワロてしまいましたwwそして、親戚の犬の褒め方がgood boyだったなと懐かしくなりました。 (2022年2月24日 19時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 諦めない侑に、good boy (2022年2月24日 19時) (レス) @page49 id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スナック杏月 | 作成日時：2021年8月18日 9時
