【及川徹落ち】18000キロメートルの恋 2nd【黒尾鉄朗】

後輩が素直になれますように ページ19

母｢お父さんね、アンタが彼氏追っかけて海外行くって言い出してから、よくアンタの小さい頃のアルバム見てるわ｣

A｢え？そうなの？｣

母｢お酒飲みながら徹くんのこと愚痴ってるわ…あいつはチャラそうだの何だのって｣


お母さんは思い出すようにしてふっと笑みを零した。


母｢あのね、お母さんはアンタが選んだ道なら何でも応援するから｣


お母さんは私の手を握って、両手で包み込んだ。
その言葉に胸の内側が擽られたような気持ちになって、うん…としか返せなくなる。


母｢まぁ徹くんが結婚の挨拶にでも来てくれたらお父さんも納得するんじゃない？あっはははは！！！｣

A｢…だから話が飛躍しすぎだってば｣


高らかに笑う天真爛漫なお母さんに、また一つため息を零した。


▲▼


A｢ってことがありましたね、今朝｣

真夜｢ふっ…及川先輩ざまぁ｣


我が家での朝の出来事を話すと、真夜ちゃんが悪い顔で笑った。

今日は、私と花巻と松川と真夜ちゃんで、岩泉の家に遊びにやってきた。
金田一と国見ちゃんは部活があって残念ながらここにはいない。


岩泉｢おじさんよく喋るし優しいけどなー｣

A｢あー…岩泉は初対面でもう気に入られて仲良いよねー｣

岩泉｢友達ポジションだからだろ｣

真夜｢いや、彼氏が岩泉先輩だったらおじさんもあっさり認めてると思いますよ。岩泉先輩ってどっしり構えてて真面目で男らしくてこう…安心感ありますし｣

花巻｢お。何？告白か？｣

真夜｢うるせーよピンク頭。残念ながらタイプじゃないんで｣

松川｢お前は国見がいいもんな｣

真夜｢お前も黙れよ髪の毛全部むしり取るぞ｣

松川｢コワッ｣

花巻｢素直じゃねーなぁ。なぁA、こいつ俺と松川にたまに相談してくんの、国見のことで｣

真夜｢余計なことを…！｣

A｢え！？そーなんだ！｣

松川｢顔が恋する乙女だよなwww｣

真夜｢そんな顔した覚えないです！｣

花巻｢してるよな？｣

松川｢してるしてる｣


花巻と松川とギャーギャーと言い合いをしている真夜ちゃんをふっと笑いながら見つめた。

昨日、真夜ちゃんは東京の大学を、国見ちゃんは地元の大学を志望していることを聞いた。
そうなると、卒業したら二人は離れ離れになる。

どうか後悔のないように素直になれるといいな、と私に負けず劣らず暴言を吐く真夜ちゃんを見て、そう思った。

バカにしてることはよく分かった→←花嫁修業はバッチリね

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