バイトはつらいよ

語尾がアゲアゲ副店長 ページ1

これまでバイトしていた夫婦経営のカフェが店を閉めることになり、新しいバイト先を探すことに。

スマホでパパーッと検索して、家と学校の通り道にあり、馴染みのある大型スーパーでバイトすることに決めました。


ーー約一年前、面接。


副店長｢希望のォ⤴︎ 部門とかあるゥ⤴︎︎︎？｣


その日店長は休みだったようで、私の面接をしてくれたのは、副店長だった。
バチクソに声が高い男の人だった。しかも高いだけじゃなく、クセが強くて気になって仕方がなく、色々スーパーのことについて話してくれていたけど、7割聞いてなかった。
とにかく語尾がアゲアゲだった。顔はアゲアゲではなかったけど。


杏月｢どこでも大丈夫です｣

副店長｢んー、じゃあ今〇〇部門が人足りてないんだけど、入ってくれる？｣

杏月｢はい、大丈夫です。よろしくお願いします｣


副店長の声が気になりすぎて大丈夫じゃなかったけど、大丈夫だと頷いた。

採用については後日連絡します。
というのは一切なく、面接後すぐに契約書などを貰いに事務所へと連れられた。


副店長｢杏月さん、〇〇部門にはいるからァ⤴︎ ｣

事務員｢えっ！…〇〇かぁ…｣


副店長の言葉に、明らかに驚いた、えっ！ではなく、マジで？それでええんか？みたいなニュアンスの、えっ！を漏らして、事務員さんはチラッと私に視線を向けた。


事務員｢…頑張ってね｣

杏月｢はい、よろしくお願いします｣


後から考えるとその、えっ！の意味が理解できるが、この時の私はまだ知る由もなかった。

黒髪ボブの事務員さんの髪のキューティクルが凄すぎて、ただただ裏山だった。
次美容院行く時はケチらずにトリートメントもお願いしようと心に誓った。

ちっちゃいおばちゃん事務員→

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