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声のする方に目を向けると

おいでおいでしている。

「あ…!」

その人の顔を見た瞬間、
急いで駆け寄って隣りの席に座った。


「久ぶりだな」

「久しぶりだね、萩ちゃん!」


そう、私を呼んだのは、
一年の時一緒のクラスだった萩谷慧悟君。

隣りの席にも何度かなったりして、
男の子の中でも一番仲良しだった。

二年になってからはクラスが離れちゃって
会うことも滅多になかった。


「小暮も図書委員だったんだな」

「萩ちゃんこそ」


先生にばれないようにこっそり話す。


「あんまり仕事ないと思ってたんだよね〜」

「同じだ!私もないと思ってた!」

2人でクスクス笑いあう。

「前に委員だった奴らは単にサボってたんだな」

「あーなるほどー」


先生が私達の方を見てコホンと咳を一つした。

萩ちゃんが、やべって顔して視線を戻す。
その時、焦りすぎたのか筆箱を落とした。

そんな様子に笑いが込み上げてきて
バレないように窓の外を見た。



「え?」


私の小さな呟きは誰にも聞こえていない。

だけど、隣りにいた萩ちゃんには聞こえてたみたい。


「どうかした?」

小声で聞いてくる萩ちゃん。

だけど私の視線は窓の外を捉えたまま。

いや、正確には、

校門から出ていく2人の男女の後ろ姿、かな。


毎日傍で見てるんだもん。
顔が見えなくたって分かる。


「小暮?」

萩ちゃんが心配そうに私を見つめる。


「あ、ごめん、なんでもない」

「本当に?」

「…うん」


それ以上は何も聞かれなかった。


もう一度、チラッと窓の外を見る。

2人の姿はもうなかった。


なんで?

どうして?


ジェシー君の腕に絡む女の子と
それを解こうともしないジェシー君。

2人の姿が目に焼き付いて頭から離れない。

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HARU(プロフ) - あいすさん» んふふ(笑)あいすさんをたくさん泣かした気分♪またジェシー書きますよう!のんびりお待ちくださーい(笑) (2015年5月30日 9時) (レス) id: 5f45f38707 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - みりまむさん» ありがとうございます(*ノωノ) みりまむさんはいつも褒めてくださるので、ついつい調子に乗ってしまいます(笑)今後もよろしくお願いしますね♪ (2015年5月30日 9時) (レス) id: 5f45f38707 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - 泣ける作品( ;∀;)またジェシー書いてください♪HARUさんお疲れ様でした(*>ω<*) (2015年5月30日 8時) (レス) id: b73e41006e (このIDを非表示/違反報告)
みりまむ(プロフ) - HARUさん、お疲れ様でした!!『一途すぎて愛おしいバカ』最高です!!!やっぱりHARUさんが書くお話大好きです!! (2015年5月30日 0時) (レス) id: 8e043e8cc2 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - HARUさん» ぜんぜん!そう!年下(*´□`*)やーん楽しみ♪ (2015年5月27日 0時) (レス) id: b73e41006e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HARU | 作成日時:2015年4月8日 21時

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