《歌い手》シェアハウスとか聞いてません｡《浦島坂田船》

貴｢恨むぞまふ､この野郎。｣ ページ45

貴女side

カフェまで走ると、其処にはスマホを片手に佇むまふ。

貴｢悪い、遅れた！」

そう声をかけると、ぱっと顔を上げて此方を見るまふ。
すぐに俺の方に近付いてきて、笑顔で話し始めた。

まふ｢おはよ、A！全然大丈夫だよ､まだ僕以外誰も来てないし！」

…ん？『誰も来てないし』？

貴｢おいちょっと待て、俺以外にも誰か来るのか…？」

そういうとまふは露骨なまでに慌て出す。

まふ｢えっ！？あぁいやいや、別に全然そんなんじゃないよ！？」

疑いの目を向けると、冷や汗を出しながら目をそらすまふ｡
すると、後ろから聞き覚えのある声がした。

そ｢あ、いたいた。まふ、A、おはよ。｣

まふ、貴｢そらるさん！」

そらるさんは相変わらず、眠そうな目で歩いてくる。
すると、その後ろから、もう二人、男が歩いてくるのが見えた。

？｢まふ〜！どしたの、急に集合場所変更とか…」

？｢ん？その子誰？俺、その子知らんのやけど？」

どちらも、謎に聞き覚えのある声。
当たって欲しくない予想は、次のまふの一言により、的中していたと分かった。

まふ｢天月くん、luz！おはよ、集合場所とかこの子の事は、取り敢えず中で話すよ！」

『天月』、『luz』…

この二つの言葉が、俺の頭の中にぐるぐると回る。

かの有名な歌い手である天月さんとluzさんに会うとか、まふからは何も聞かされていない。

貴｢…まふ…？(^言^)」

そう言ってまふの方を見ると、またしても目を逸らして誤魔化すまふ。

…取り敢えず、まふは後で絶対しばいてやる。

¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨
その頃の尾行組

浦｢はぁ！？まふと会うとか聞いてないけど！？」

志｢天月くんとかまでいるとか、A、何隠してんのやろ…？」

セ｢あっ、A達カフェん中入ったで！」

浦｢俺達も入るぞ！」

セ、志｢了解！」
____________________________________

続きます！

貴｢コミュ症をナメてはいけない。｣→←貴｢何か俺、走りすぎじゃない？」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す