love u... 2 (ページ13)

今日:20 hit、昨日:14 hit、合計:200,611 hit

love u...　62 ページ13

.
..
...

「エッ?!」

そう後ろで聞こえたオンナの声は
続いて
「ねぇ、あんたの推し熱愛報道出てるよ！」

と、一緒に来ていたらしい連れのオンナに向けてのものだと分かった。

閉められた扉の中から聞こえる

えーーー、まじ最悪。嘘でしょ
生きてけん。
ああーーぁ泣

と言う彼女たちの声は、
まるで俺の将来を想像させた。

それでも、今、目の前にある
Aさんの存在を失いたくないという
気持ちが何より1番強かった。

一応パーカーのフードをかぶって
いつ開くかわからない、
彼女がいるであろうトイレのドアが開くのを待った。

確実にそのトイレにいることはわかってるのに、
もしかしたらもう会えないんじゃ。

と言う変な焦りを感じて
胸の部分が変な感覚。

(早く会いたい)

それだけを思って
ただ彼女を待った。

扉は意外にもそう待たずに開いた。

逆光になって、あんまり顔が見えないけど
彼女だとわかる。

どうして、と彼女の声が聞こえたのとほぼ同時に、
よかった、いた……とつぶやいた。

とにかく、話がしたい。
彼女の本音が聞きたい。

ーー部屋、もどろ？

と伝えると、彼女は何も言わずに
俺の後をついてきてくれた。

そんな距離じゃないのに
いるのか不安になって何度か振り返ったけど、
彼女はたぶん、俺の足元ら辺を見ながら
だまって着いてきてくれた。

部屋に入ってもらって、一安心。

まだ俯いたままの彼女に、
ーー少し落ち着いた？と聞く。

すると彼女は堰を切ったように
ペラペラと、また取り繕うような話をした。

(もう、分かったから…)

そんなことを思いながら、テーブルへと動き出した彼女の手を掴んで、

ーー思ってること、全部言って欲しいです
と伝えた。

『…え？思ってることですか？？えー、なんだろ、あ！やっぱ歳だなーって、笑
お酒強いと思ってたんですけど、歳には叶わないな』

…泣き上戸になったのかなぁ、、と
笑いながら言う彼女に、

ーーそれ、俺の目見て言える？

と、また意地悪をした。

彼女は一瞬
何かを考えるようにスッと前を見つめて、
その後ですぐに、
少し、赤みのある潤んだ目で俺の目を見つめてきた。

『だって、わたし田中さんの5個も上だよ？
そりゃ歳感じるわけだ、、笑』

いつのまにか掴んでいた手を解かれ、

『私が6年生の時1年生、えっ、高2のとき小学6年生?!
こわいこわい、、笑』

と無理矢理作ったように見える
笑顔を見せながら席に座った。