1162 ページ26
「いや、そうじゃなくて」
紫「ふふ、なあに?」
「・・・やだなぁそれ」
紫「懐かしいだろ、俺のスイートボイス」
「はぁふざけてないでさ。・・・とにかくお願いがあるの」
紫「Aちゃんが俺のところ戻ってきたいってお願いなら今すぐOKだけど?」
「ちがくて」
本当に厄介だなぁ、と思いながら「じんと玄樹が喧嘩したんでしょ?」と口にすると彼は「あーそれなら知らない」と急に素っ気ない態度。
「ちゃかちゃんが可哀想だから紫耀がなんとかしてくれる?」
紫「放っておけばそのうち仲直りするから、お前も知ってるでしょ?」
「そうだけどー・・・」
紫「それより俺と会おうよ」
「うーん」
紫「俺と会ってくれたら、どうにかしてあげてもいいよ」
「ちょっとずるくない?」
紫「ずるくていいですよー」
「・・・はぁ、」
紫「俺とデートしてくれたらすぐにじんに連絡して仲直りさせるよ?」
そう言われてなんだか断れない雰囲気になって。
仕方ない・・・。
「会うだけ、ね?」
紫「よしっ」
やったー!って嬉しそうな声の彼に「とりあえず明日ね?」と口にすると「はーい」とご機嫌に電話を切る。
顕「いいの?」
「うん、大丈夫。作戦があるから、あとは任せて」
顕嵐に得意げな顔を見せてからまたスマホに向き合ってお目当ての人物に「明日、暇?」というメッセージを送るとすぐに既読になった。こういう時に居てくれて助かるよ。
「ふふ、」
顕「ん?」
キュッと口角を上げてキッチンに戻ると不服な顔をしたみゅうさんと目が合った。
「・・・?」
美「、、、」
今度は、何?
首を傾げてみゅうさんを見つめていたら「あ、おかえり〜」とモロ先輩が扉の方に
目を向けるから私も視線を向けるとなんだかいつもと様子が違うさなさんと謙さんが一緒に帰ってきた。
謙「ただいまー、はいお土産」
そう言って買ってきたであろうスイーツをダイニングの上に乗せると謙さんは「いやぁ、楽しかったね」とさなさんの腕を叩いた。
佑「・・・、」
さなさんは微妙な顔をして視線を泳がせて曖昧に返事をするからやっぱり様子が違うなぁと思ってたら、「なんか今日やけにお洒落っすね」と顕嵐が指摘を入れた。
1778人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:愛美 | 作成日時:2020年7月5日 14時