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別に、プレゼントくらい大丈夫だよ。
去年はみんなで渡しただけに個人からあげるとなるとちょっと緊張しちゃう。
というか、私が意識しすぎなだけ・・・？
みゅうさんが部屋出てくるのを待ち伏せるように、部屋の前で突っ立ってたらガチャと目の前の扉が開いて思わず大げさに驚いてしまった。
美「うわ、ビックリしたじゃんっ」
「あ・・・ごめんなさい(苦笑)」
美「そこで何やってんの？」
「いや、あの・・・」
みゅうさんの方を見れないまま、「プレゼントを、と思って」と紙袋を差し出すと彼は予想をしていなかったかのように目を丸くした。
「みゅうさんにいろいろいっぱい貰ったので」
美「マジで？」
貰えると思ってなかった、と口にしながら私が差し出した紙袋を受け取ると私を真っ直ぐ見下ろして「ありがとう」と嬉しそうに笑った。
「いいえ」
美「開けるね」
「うん」
美「お、パーカー？」
「何枚あっても困らないかなって思って」
美「めっちゃいいじゃん」
「良かった」
気に入った様子でそれを取り出して着てるのを見ると妙にドキドキしてきて、「似合う？」と聞いてくる彼に向かって一回頷くと「A、ありがとね」と頭に手を置かれた。
「・・・っ、はい」
胸が高鳴る。
真っ直ぐにみゅうさんが見れなくて、忘れようとしてた感覚が舞い戻ってくる。
視線を泳がせる私を困らせてると思ったのか手を退かしたみゅうさんは穏やかに微笑んで私と目線を合わせた。
美「A」
「はい」
美「明日、暇？」
「え？」
美「行きたい場所があって」
「・・・」
「一緒に来てくれる？」と柔らかい視線を向けるみゅうさんに促されるように頷くと彼は「ありがとう」と大きく口角を上げた。
美「メールしとくね」
「あ、はい」
美「じゃあ、俺タルーレ戻るから」
「うん」
手を振った彼に手を振り返すと「早く寝ろよ」と男前な顔してそう言ってすぐに階段を降りて行った。
「・・・っ、」
ちょっと久しぶりすぎて、緊張して。
顔が熱くてこんなの全然眠れる気がしない。
気づいたら明日着ていく服を考えるためにクローゼットを開けていた。
「・・・楽しみ、」
小さく溢した自分の言葉に自分が一番驚いていた。
こんな自分が可笑しくて仕方ない。
けど、浮かれている自分を否定出来なかった。
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作者名：愛美
| 作成日時：2020年7月5日 14時
