PAST VIー7 ページ49
アーモンド色の、綺麗な瞳がキラッと揺れる。
彼は口角を上げると「昔話なんだけど、」と口を開いた。
俺、高校再入学したんだよね去年。
前の学校、野球が理由で入ったんだけど・・・怪我しちゃってさ。
玄「出来なくなって、学校にも行けなくなって。」
日数が足りなくなって、ここに再入学したの。
「いわち、年上なの?」
玄「うん」
「・・・本当に?」
そうだよ、96年生まれだから。となぜかドヤ顔をかましてくる。
「そうなんだ」
入学したけど、周りは年下ばっかりで。
なかなか心開けなくて、誰も仲良くしてくれなかったけど。
玄「・・・神宮寺だけは、違った」
俺とずっと一緒にいてくれて、仲良くしてくれたの。
玄「俺の話も、聞いてくれたし。」
じんはね、絶対に約束破らないんだよ。って、そう言って私を見つめた玄樹は可愛く笑うと「信じてもいいんだよ、神宮寺のこと」って言う。
「・・・、」
玄「大丈夫だから」
「・・・うん」
玄「絶対にAのこと傷つけないし、大切にしてくれるよ」
「・・・うん」
私の目に涙が浮かんだのを見て「うわ、泣くの?めんど」と顔を歪めるけど、その後すぐに「神宮寺のとこ、行ってくれば?」と呆れた顔して笑った。
「行ってくる」
玄「おう。もう戻ってくんな」
「・・・うん」
玄樹は私の顔を見て「あはは、めっちゃブス!」と笑うと「早く行け、シッシ!」とまるで犬にやるように向こうを指差した。
玄「・・・じんのこと傷つけたら、許さないからね」
「うん」
バイバイ、と手を振って教室に戻る。
走り出してた。
じんに何かを伝えようとしたかった。
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作者名:愛美 | 作成日時:2019年3月10日 20時