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顕「なんで別れたわけ」
神「それこの前も聞いたよね？」
顕「Aのため、とかそんなの納得できるわけないじゃん」
それに。
お前らが別れてから、俺がいろいろ大変なんだって。
顕「Aのこと誰に言っていいか分かんないし」
Aがいないところでも、常にAのことを一番気にかけてた存在だから。
神「ふふ、他にいるでしょ？(笑)」
顕「・・・、」
神「分かってるでしょ？」
顕「・・・。」
思わず、動きが止まってしまった。
神宮寺はそこまで知ってた。
俺は神宮寺と目を合わせたまま、黙り込んだ。
あの人の弟としては、きっと裏切ってしまうことになるのだろうか。
どうしても、胸が痛くなる。
どんな気持ちで、それを笑顔で問いかけてくるんだ。
顕「なにそれ、ウザい」
神「はあ〜？(笑)」
顕「お前はどうなんだよ」
ずっと好きで、
まだ好きなくせに、
どうしようもなく落ち込んで、悲しんでるAに、会いに行けよ。
そう言いたくて、堪らなかった。
神「いいんだよ、顕嵐」
顕「・・・」
神「Aは俺が居なくても大丈夫だから」
顕「うざ、」
神「だからなんで！？(笑)」
俺にとっては違和感なんだよ。
そうやってお前がAを素直に手放すことが。
Aが他の誰かを好きでも、神宮寺は結局Aが好きで。
そこまで分かってしまうと、もどかしくて仕方なかった。
俺が神宮寺なら同じ選択は出来ないと思った。
顕「Aが一人じゃ生きていけない責任はお前にあると思うんだけど」
神「ふふ(笑)相当甘やかしたからね」
まんざらでもない顔して笑う神宮寺が、どんな気持ちで別れを決断したか分からないけど。
きっと、神宮寺だって無理をしたはずで。
顕「はぁ・・・」
神「なんか悩ませちゃってごめんね」
顕「本当だよ」
「まあ、とにかく大丈夫だから」と神宮寺は穏やかな顔をして笑った。
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作者名：愛美
| 作成日時：2019年3月10日 20時
