StLtH11 (ページ25)

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Fuma Side

風「北斗、あのさ」

北「なに」

バーの入り口の前で北斗を呼んで美勇人から来たLINEを見せると北斗はその内容に顔を顰めた。

北「あいつ、リリのことなんだと思ってるんだよ」

風「どうする？」

北「まぁ、リリは喜ぶよ」

「だろうな。」と返事して北斗と目を合わせると北斗は分かりやすくため息を吐いて「・・・リリがリリじゃなくなる、」と呟いた。

数回頷いて、「じゃあ、断り入れとく？」と訊くと北斗は諦めたように首を横に振って「リリが知ったら俺ら殺されちゃうよ？少なくともケーキ漬けにされるわ」と言い放つと「リリに言っとく、って返信。」と俺の手の中のスマホを目で差した。

風「わかった、」

北「ん、」

そこにコツコツとヒールの音が聞えてきて、そっちに目を向けると「ちょっとー、道塞がないの」とミホさんが上から降りてきて「本当イケメンは道塞ぐの好きよね」と微笑んだ。

風「え？(笑)」

ミ「ふふ、あ、大我いる？」

ミホさんは「ちょっと退いて」って俺らを押して「大我～♡」とご機嫌な様子で中に入っていく。

その声に反応した大我が嬉しそうにソファーから飛び起きて顔を緩ませた。

大我「待ってた！おかえり！」

両手を広げて待つ大我の腕の中へ一直線のミホさん、「ただいまー！」って嬉しそう。

大我はそんなミホさんの肩に顔を埋めて「お疲れ」って小さく呟いた。

ミ「大我見たら疲れぶっ飛んだ！」

大我「ほんと？よかった、」

北「・・・」

風「・・・、」

俺たちは目の前で何を見せられてんだ、とお互いに顔を見合わせる。まぁいつもの事だけど。

お互いの顔を見て苦笑いするとまた上から足音と話し声が聞こえて、またそっちに目を向けるとジェシーの前に立つエリカが「風磨くんと北斗くんだー！」と上からニコニコと手を振ってきた。

エ「あ～！ミホさんいる～！エリカ入りまーす！」

ジェ「ジェシー入りマァース！」

風「うるさいの来た」

北「俺帰ろうかな・・・」

風「俺を置いていくなよ」

入っていったエリカとジェシーに続いてバーの中に踏み込むと、エリカとジェシーは当たり前のようにカウンターに座った。