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(Aside)
「お〜暑い」
タクシーから降りて見慣れた建物を視界に捉える。
・・・変わらないねぇ。
自動ドアをくぐって中に入れば涼しい風が全身を包む。
こっち側から来たことないから全然わかんないな〜。
いつも救命の方から入ってたから、正面から入ってもどこがどこだか。
「え〜っと、」
手に持ったメモを頼りにエレベーターに乗り、廊下を進み、角を曲がり。
あまり人気のない階に降りたって進めば部屋の前に立つ人物を見つける。
「よう。きたか」
私を見て優しい笑みを浮かべる彼に懐かしさが湧き上がって。
───あぁ、この笑顔を見ると涙が出そうになる。
子どものように声をあげて泣きたくなる。
「お久しぶりです。─────橘先生」
扉の前に立つ彼───橘先生に頭を下げる。
「そんな堅くなるなって。暑かっただろ?」
「そうですね。よくこんな中で人々は生きていられるな、と」
「トロントは涼しいのか」
「ここに比べたら全然ですよ」
暑すぎる日本への愚痴を一通り述べたところで改めて扉の前に立つ。
なにも悪いことしてないのに緊張する…。
「荷物はどうした?」
「井上先生が預かってくれました」
井上宣顕先生。
循環器内科で随分とお世話になったものだ。
・・・あ、戻ってきたってことはまたお世話になるのか。
「そうかそうか。んじゃ、入るか」
「はい」
ノックの後にどうぞ、と短い声がする。
扉を開ける橘先生に続いて中に入る。
『脳外科部長・西条章』
ふと見えたプレートには見慣れた名前と見慣れぬ役職が刻まれていた。
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時雨(プロフ) - 姫乃さん» 全然大丈夫ですよ(^^)ありがとうございます!ほんとうに応援コメント嬉しすぎます!!!これからも頑張るのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年9月3日 23時) (レス) id: b12319ed65 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - cometさん» 応援のコメントありがとうございます(^^)嬉しいです!これからも頑張るのでよろしくお願いしますm(_ _)m (2018年9月3日 23時) (レス) id: b12319ed65 (このIDを非表示/違反報告)
姫乃 - すみません!先ほどのコメントは付いていない方がでしたいいと思います!と書いたつもりだったんですが間違えてました。アンケート終わっているのにすみません。 (2018年9月3日 22時) (レス) id: 7fe36c8cdf (このIDを非表示/違反報告)
姫乃 - 私も名前付いてた方がいいと思います!この作品大好きです!これからも応援してるので無理のないペースで頑張ってください! (2018年9月3日 21時) (レス) id: 7fe36c8cdf (このIDを非表示/違反報告)
comet - 名前なんですが、今のままでいいと思います!展開が分からないわけでもないので大丈夫だと思います!!いつも楽しませてもらってます!更新頑張ってください!ずっと応援してます! (2018年9月2日 21時) (レス) id: fcd67c983f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2018年8月30日 12時