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ー Side ころん ー




『先輩を好きになってよかった...』

「俺も出会えてよかった」




テレビではキスを交わす男女が映し出された。




高校生の男女。

女の子は病気と闘っていて、お互い涙を流しながらキスする。






これマジでしてんだよなぁ...。





渦巻く嫉妬心は消えない。





そう、このテレビに出ている女優。





僕の幼馴染だ。








そして好きな人。







いつから好きなのかとか聞かれてもわかんないけど、気づいたら好きだった。


それなのに遠くに行ってしまった。








距離というより、身分が違う。






彼女、Aは有名になりすぎた。





相手役の俳優さんだって今有名のイケメン若手俳優。






そっちの方がお似合いなんだ。






僕はただの歌い手。

すとぷりだってドームでやらせていただけることになったけど。




Aとの人気度なんて一目瞭然。







背が小さい僕はモデルにもなれないし、まず顔を見たときに違うってなって。

Aの隣に並べるように顔とか関係なくできるのは、ネット活動だと高校生のときに決意して始めた。





結局はAに言えてないし、Aもおそらく気づいていないだろう。







ころん「はぁ...」






Aのせいで彼女とか出来たことないんだけど。






20代前半の大人がだよ!?





ころん「好きでもないやつとキスできるなら、僕ともしてよ」




少なくともこの俳優よりずっと近い距離にいたはずで、この俳優より絶対Aは僕のことが好きなはず。





恋愛の意味ではないけど。

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作者名:ひーりん。 | 作成日時:2019年6月18日 19時

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