17 ページ17
「そっか…。
ありがとう。
あ、そうだ、朝のメールも。ありがとう。」
そう言って微笑んだ。
でも、シムくんはユノがユナさんのコートを着て
寝ていた事とか知らないのに…
なんで今日誘ってくれたんだろ。
さっき会った時、そんな悲壮な顔してたかな、私。
今更だけど、
イブを一緒に過ごす相手とかいなかったのかな、
大丈夫かな。
夜シフトの後なのに昼数時間だけ頼まれてバイトに
入ったって言ってたし、彼女いないのかもな。
そこからは、就職活動の話とか、
ソヨンを狙っている夜シフトの男の子の話とか…
………楽しかった。
CM 「…どこに送っていけばいい？」
店を出て車に乗り込んですぐ、そう聞かれた。
…22時半か。
私はどこに帰ればいいんだろう。
「ユノの部屋に入ったらね、 まだベッドで寝てた
んだ、ユノ。」
質問に答えず話し始めた私をチラッと見た後、
シムくんはなにも言わずに、車を発進させた。
「ユナさんのコート着て、寝てた。」
ハンドルを握る手にグッと力が入ったような気が
した。
…あぁ、よかった。やっぱり普通じゃないよね？
びっくりすることだよね？
嫌な気持ちになっていいこと、だよね？
「多分、帰る途中で吐いて、服が汚れたんだよね。
汚れた服のまま担げないもんね。
脱がせて、代わりにコート着せて…
外寒いもんね。」
声が震える、想像したくない。
「それにしても今ビッグシルエットのアウターって
流行ってるんだけど、すごいよね。
ユノ確かに細いけど、筋肉質だし…
せも…背も高いのにっ」
ユノの部屋を出てから、初めて涙が出た。
ユノの家にはやっぱり今日は行けない。
自分の家に帰るって小さな声で言ったら、
家の場所だけ聞かれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 342人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｻﾗ
| 作成日時：2018年9月30日 20時
