LOVE～CM (ページ16)

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どこ行くんだろ？

さすがに行き先が

気になり始めた頃、一軒の店の前で車が停まった。

だいぶ郊外まで来た感じがする。

CM 「イブだからどこも混んでて…ここ友達の家族

がやってるんだ。イブらしくない店だけど…」

車から降りると、そこには古民家が一軒。

中に入ると、焼肉店だった。

「焼肉！大好きだよ！ありがとう。」

そう言うと、シムくんは安心したように微笑んだ。

そこそこ混んでいる店内の奥、個室へと入る。

案内してくれた店員さんがシムくんのお友達らしく

適当に持ってきて、と親しそうに話している。

注文はお任せして、

コートをハンガーにかけていると、

私のコートはキャメル色なのに、黒いモッズコート

を思い出す。

手が止まった私の背後、シムくんの気配を感じた。

隣のハンガーに濃いグレーのチェスターコートを

かけながら、

CM 「俺は厨房だったから。

詳しくはわからないけど、客に絡まれたのは

ユナさんなんだ。」

そう、話し始めた。

CM「閉店1時間前くらいに、数人で入ってきた時か

ら全員かなり酔っててフロントでユナさんに絡み出

したらしいんだ。チョンさんがうまくユナさんを

バックヤードに下がらせて部屋に案内したんだけど

そのあと、チョンさん、部屋から15分は出てこなか

ったらしい。」

飲み物が運ばれてきて話は一旦そこで途切れた。

ユノらしい…その一言。

それに比べて自分はくだらない嫉妬をしている、

と思い知らされる

CM 「さすがにまずいと思って事務室の店長に

相談して…俺はその時に騒ぎを知ったんだけど。

でも助けに行ったはずの店長もその後30分くらい

部屋から出てこなくて…警察に連絡しようってなっ

た時に、ようやく客と一緒に2人が部屋から

出てきたんだ。

客はなんだか上機嫌で帰っていったけど。

チョンさんも店長もグッタリしてた、多分すごく

飲まされたんだと思う。

部屋に入る前に大量に酒頼んでたし…

閉店まで2人は寝かせておいて、そのあとは手分けし

て家まで送ろうって話になったんだ。

俺は店長をタクシーで送ったんだ。

チョンさんの方がきつそうだったから、荷物はユナ

さんが持って、あと2人がチョンさんを担ぐようにし

て帰っていったよ。」

俺が知っているのはそこまで、

そう言ってシムくんは、私を見た。