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今月のデザートにかけるフルーツソースで
私が作ったものかもう1人のキッチンの子が作ったもの、
どちらを使うか意見が真っ二つに分かれた。
当のオーナーは両方惜しいなあ、決められないなあと悩んでしまって全然決まらない。
そんな時にまたタイミングよく店のドアが開いて
鞄を肩にかけたこの店の息子さんが帰ってきた。
「おかえりラウ！ちょっと来て来て」
「ええ、…なにもう？」
「食べるだけでいいから。
どっちがいいか深く考えずに食べて決めて」
「こっちと、こっちね」とオーナーがフォークに刺さったそれぞれ別ソースのケーキを息子に無理矢理味見させる。
いやいや口に運んだ息子はというと、
特段美味しそうにするわけでもなくはぁ、だりーぜ、みたいな顔をして無言で咀嚼。
すみませんね、面倒でと思って見ていると
「こっちのがいいでしょ断然」と息子はあっさり意見を述べた。
「…え、」
「じゃあAさんの方に決まりね」
ラウール氏が指差していたのは
まさに私が作ったソースの方だった。
彼の方を見ると私のことなんか見向きもせずに
「もう行っていい？」なんてママに言っていて、
さっさとキッチンから出て行ってしまった。
なんだか変な感情。
あれ。割と嬉しいのかも？…なんて。
「あの子Aさんのことタイプだと思う」
「えっ！？」
突然オーナーが私の耳元でそんなことをコソッと囁いて腕を組む。
私は言葉の意味が分からず3歩も後ずさった。
「な…？な、何を言って、オーナー」
「あの子態度があからさまなのよね」
「あの、全然、私たち、意志の疎通が」
「私母親だから分かっちゃうのよねえ」
「あの子Aさんがウチに来てから女の子連れ込まなくなったからさ」と
オーナーはあっけらかんと私の知るよしもない情報をくれた。
聞けば彼はあの見た目なもんでいつもいつも違う女の子を連れて来てはイチャついていた
言わば“ 食いしん坊 ”。…だったとか、何とかで。
たしかに最近学校帰りはいつも1人でここに来てるなってことは私にも分かる。
…だけどそれはない、さすがに。
私は貴女の息子さんとまともに話したこともないですよーって思っていると
「“ コレ誰作ったの？ ”って。
いつも冷蔵庫の廃棄予定のデザート、食べる前にそう聞くのよあの子」
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.→←0 7 / Food Lover(食いしん坊) × White.
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Haruno(プロフ) - シキさん» シキ様、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません…🙇♀️🤍のお話気に入って頂けて良かったです🥹 (7月29日 19時) (
レス) id: 7ace42d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - mikuさん» miku様、お返事が大遅刻の大遅刻で大変申し訳ありません…今更…🙏🙇♀️最後まで読んでくださり本当に有難うございます…！そんな風に言って頂けて本当に嬉しい限りです🥹 (7月29日 19時) (レス) id: 7ace42d2c7 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - どのお話も最高にドキドキしました！特にラウのお話が好みすぎて…！もしよろしければ続きもみてみたいです！よろしくお願いします！ (2023年4月21日 17時) (レス) @page50 id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 全部が最高でした！続編があったら読んでみたいです(_ _) (2022年11月5日 10時) (レス) @page48 id: 9190d456fa (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - みきさん» みき様、リクエストありがとうございます…！こっちも多分なんですが、ふっかさんのお話の方が長編化の可能性あるかもです…！あくまでかもなんですが（ ; ; ） (2021年9月5日 8時) (レス) id: c65c76f5bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年8月12日 3時
