メイド様とご子息 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,081 hit

3 ページ3

「あら、ごめんなさい。なんだかついつい興奮気味にたくさん聞いちゃってたわね。うれしくて。」

『あ、いえ！全然！たくさんお話してくれて嬉しかったです。』

「そう？良かったわ。紹介するわね。あなたにお世話を頼みたい息子の勝利よ。」

『あ、この方が。はじめまして、〇〇Aと申します。勝利さんよろしくお願いします。』

「Aね、よろしく。って言っても特に何もしなくていいし、あんまり関わってこないでね？じゃ。」

『え？』

それだけ言い捨てて踵を返す勝利さん。

え、ちょっと待ってくれ。何だ？この生き物は。
到底恵理子さんの血を引いてるとは思えないくらい冷血。さらに無愛想。びっくりしすぎて空いた口が塞がらない。そんな私に申し訳なさそうに恵理子さんが、

「ごめんなさいね、Aちゃん。なぜだか、あの子ったらあんな感じで...根はいい子なのよ。...大変だと思うけどよろしくお願いします。」

と頭を下げるものだから、

『お気になさらないでください！こちらこそよろしくお願いします！』

と笑ってみせるが、早くも佐藤家に仕えることを後悔し始めてて、とりあえず勝利さんには極力近づかないでおこうと思ったのだ。