Love resume (ページ41)

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[Maruyama] ６ページ41

「あの…どうかしましたか？」

『いえ…』

「顔色、あんまり良くないみたいやから…」

どうしよう…思いきって…

『偶然…ですか？』

「えっ？」

『今日も偶然この電車に乗ってたんですか？』

「…ごめんなさい…」

『…もしかして、あなたも…』

「…いや、あの、その……好きなんです、ずっと前から」

『えっ？』

私が会社に勤め出した頃、慣れない通勤電車で具合が悪くなって

立っていられなくなって、座り込んでしまったことがあった

その時、何人かの人が席を空けてくれたり、お水をくれたり

駅ではベンチまで連れていってくれた人もいた

じつは、その時にお水をくれたのが丸山さんで

「一目惚れ…ってあるんやなぁって…」

それから、電車の中で私が具合悪くならないか、ずっと気にしてくれてたらしい

だから、あの日も、私の顔色が悪いのは、電車に乗る前から気付いてたって…

丸山さん、営業で外回りすることが多くて

昨日も外回りが終わって、駅のコーヒーショップで休憩してて、私が来たのに気付いたから、同じ車両に乗ったらしい

で、今日は、昨日の事が気になったから、駅で待ってたって…

「いや…その……あなたの姿が見たくて…」

朝は、もともとは丸山さんの方が先に電車に乗ってたらしいんだけど、賃貸の契約更新の時に、私が乗る駅に引っ越して、実は毎朝、駅から一緒らしい

『全然気付きませんでした』

「あえて、気付かれないようにしてたわけやし…」

本当は、ずっと前から声をかけたかったのに、ストーカーっぽいと思われたらイヤだから、ずっと声かけられなかったって

「ゴメンな…気持ち悪いやろ…」

眉毛を下げて、明らかにショボンとしてしまった丸山さん

『…嬉しかったです…』

「へっ？」

『嬉しかったです、好きって言ってもらえて…』

「えっ、ホンマに？」

ぱっと明るくなったその笑顔には、あの【エクボ】が戻っていた

「あの…改めて言います！好きです、僕と付き合って下さい！」

『…はい、私で良ければ…』

「やった～！」

『丸山さん、あの…ここ電車の中で…』

「あっ、しまった！」ﾃﾍ

あの日から、ずっと見守られてたなんて…ちょっと嬉しい…

同僚に言ったら「やっぱりストーカーなんじゃない？」とか言われそうだけど…

それでもいい…丸山さんなら…

「あの…大事な事を聞いてもええかな？」

『…はい…』

「僕、丸山隆平です…あなたのお名前は…」

ーおわりー