Love resume (ページ26)

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[Shibutani] ６ページ26

＜すばる side＞

『ヤス、ほな行こか』

安「…そやね…、A、また来るな、バイバイ」

A「バイバイ、章ちゃん」

『A、俺の事、忘れてもうたんやな…』

安「頭坊主で髭やし…あの頃と見た目が違うから、今はわからんだけやって…」

『お前の事はちゃんとわかっとるやんけ！』

安「しぶやん…」

八つ当たりしても何も変わらんのにな…

それから俺は、毎日の様に病院に通った

「こんちは…」
「いい天気やな」
「調子はどう？」

そんな風に毎日声をかける

この病院の広場、俺らが昔、路上ライブやってた公園に似てんねん…A、覚えててくれてるんやろか…

足の怪我は少しずつ良くなってるみたいやけど、俺の事は思い出せないA

出せないのか、出さないのか…難しい事はわからんけど、それでもいい…こうやって側に居られるだけで

退院する前の日、お母さんに「話がある」って言われて談話室に向かった

母「渋谷さん、もう諦めて欲しいの…自分の人生を大事にして」

男「そんなん無理ですって、俺の人生にはAさんが必要なんです！」

母「でも、あの子は貴方の事、一生思い出さないかもしれないのよ」

次の瞬間、お母さんの視線が俺からはずれて、慌てて部屋から出ていった

後を追うと、Aとお母さんの姿

話、聞かれたんやろか…

退院してから、俺がAと会うことはなかった

会いにいっても、お母さんが会わせてくれへんねん…

暑かった日々が嘘のように、いつの間にか、涼しい風が吹くようになっていた

「明日なぁ、俺、誕生日やねんけど…」

久しぶりにヤスから電話がかかってきて…

なんや、プレゼントの催促か…と思ったら

「うちでお祝いしてくれへん？」

『はぁ？』

「せやから～、明日、うちで俺の誕生日祝ってって～」

『彼女にでも祝ってもらえや、なんでお前の誕生日、ふたりっきりで祝わないあかんねん』

「彼女なんておらんし…ええやんか～、しぶや～ん」

『…暇やったら行ったるわ…』