29、信頼 ページ32
そんなこんなで話していた
そこで、
私は気になっていたことを聞いた
『あのさ、その、、』
威「どうした?」
『っ、、奴はどうなった、、、』
そう言うと
みんな急に黙り
暗い顔をした
威「逃げたよ、正確には、俺が逃がした」
『、、そっか、、、』
威「あのさ、A」
『なに、、』
威「アイツはAの何なの」
「Aの過去に、何があったの?」
ドキッたした
威「しゃべれないことなの?」
『それは、、、』
威「Aの過去のこと、この中の誰も知らないんだよ」
「俺たちの事」
「そんなに信用できない、、?」
『違う!』
違うよ、信頼してないんじゃない、
ただ、
私は、、、
威「じゃあ、、、なんなの、、、」
『怖いの』
『私の事、過去のことをみんなが知って離れていくんじゃないかって、』
『それに、自分でも、まだ、よく分からないの』
『何から話せばいいのか』
『どう説明すればいいか』
『分からないの』
しばらく沈黙が走る
そして、
威「ゆっくりでいいよ」
「無理にとは言わない、、」
「ただ、、、」
「ただ、お前が本当に俺達を信頼しているなら」
「話してほしい」
『・・・・・』
威「大丈夫だよ」
「そばにいるから」
神威はそう言って隣に座り
手を握ってくれた
みんなも近くに来て
こっちを見てくれている
まっすぐとした目で
大丈夫
この人たちなら信頼できる
この人たちならきっと
私は神威の手をぎゅっと握り
そして離した
自分の震えている手を
自分の手で押さえながら
覚悟はできた
震えがおさまる
そして、、、
『私の過去を話します』
もう後戻りはできない
『あれは、十二年前の事です』
『あの日の空も、曇っていました』
『まるで、悪いことが起きる、前兆のように』
私は過去を語り始めた
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作者名:赤月 響 | 作成日時:2018年2月18日 3時