◆*16*◆ ページ16
投げられるって覚悟を決めて、ぎゅっと目を瞑ったけど
いつになってもそれは飛んでこなくて、私はゆっくりと瞼を開く。
「いい加減に目覚ませよ…」
振り上げられたユカリの手首を掴んで、動きを止めていたのは
「雅紀…」
ずっと、ユカリの隣でユカリを見ていた、雅紀だった。
「離して…っ、」
「そろそろ現実見よ…？」
一向に鏡を掴む手を緩めないユカリの手から、鏡を力ずくで取り上げて、
ユカリが届かないところにある机に置く。
「なに言ってるの？大野くんが私のものになるために協力してくれるって言ったじゃない…」
「もうどれだけ足掻いても、智くんはユカリのもんにはなんないんだよ」
「そんなこと…っ、」
それから、掴んだ手を握ったまま、
ユカリを…大事そうに、抱き寄せる
「だから…、俺と結婚しよう…？」
いつか恋い焦がれた相手が
ずっと恋い焦がれている相手を抱きしめている光景をみるのは
案外、苦しいものだった。
静かに、部屋を出て、扉を閉めたら
「無傷でよかったです」
潤くんが、さっきと同じ雰囲気でニコニコしてて、張り詰めた心が緩む。
「聞いてたの？」
「絵梨佳さんの暴言が聞こえてきましたから」
頬に残った一筋の涙の跡を見たのか、潤くんがハンカチを渡してくれた。
そのハンカチで、目尻に溜まった一粒の涙を拭き取ったら
ハンカチに黒いアイシャドウがついて、ごめんねって無責任に笑って潤くんに返した。
「大人になったね、絵梨佳ちゃん」
「なんですか、その言葉遣い」
「ほーら、よしよし」
かつて、好きだと言ってくれた男の人に頭を撫でられながら
かつて好きだった人の笑顔を思い出して
ああ、好きだったなあって
まるで他人事のように思った。
それと同時に
はやく、先生に会いたいと思った。
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とも(プロフ) - くろーばーさん 早く二人を逢わせてあげて(>_<) (2016年2月2日 9時) (
レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
くろーばー。(プロフ) - 向日葵さん» コメントありがとうございます！ノープランで暴走してるのでたまに自分でも ん？？と思う展開があったりします（笑）大野先輩と結ばれて欲しいんですけど、翔くんも捨てられない…迷走中です（笑）ありがとうございます！どうぞ最後までよろしくお願いします♪ (2016年1月24日 16時) (レス) id: 493ba9c8cd (このIDを非表示/違反報告)
くろーばー(プロフ) - ちょこみんとさん» コメントありがとうございます！あらまあ！青春LOVEを！その度はありがとうございましたm(_ _)m 加筆中のため鍵をかけているのですが、なかなか加筆が進まず…加筆途中ですが近々鍵を外す予定なので、またよろしくお願いします♪有難いお言葉、身に沁みます、、 (2016年1月23日 22時) (レス) id: 493ba9c8cd (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - season1からひっそり読んでました！切なくて予想しない展開だったりして感動したりしてます！大野先輩と主人公が結ばれて幸せになるのかいつもハラハラしながらこれからも楽しみにしてますね！ (2016年1月23日 14時) (レス) id: 32d17ac010 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこみんと(プロフ) - 私！青春LOVEシリーズをずっと前に読んで凄く好きで最近また読みたいな〜って思ってたらこの話見つけて作者が一緒で出会えた感がありました！笑 また青春LOVEシリーズ読みたいです！！この話も大好きです！！くろーばーさんの話すき！！ (2016年1月17日 20時) (レス) id: 30a3d808d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろーばー
| 作成日時：2016年1月9日 11時
