【新しい先生】 ページ44
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side 瓜原
佐柄と別れて署に戻り、指導官室へと向かった。
瓜原「指導官が出した謎が解けました。今は佐柄美幸が先生を殺害したと考えてます。
アリバイは作ろうと思えば作れます。」
風間「仕留められるか。」
瓜原「...不可解な点が1つだけ、それを解明しないと逮捕は難しいです。」
風間「額の傷か。」
瓜原「重要な物的証拠ですが、それが何故できたのか...。」
そう言うと彼はデスクの引き出しから転属願を取り出してデスクに置いた。
風間「ギブアップしてもいいぞ。」
瓜原「...しません、二度も逃げられませんから。調整官に言ったそうですね？僕が逃げる、と。」
風間「あぁ、言った。」
瓜原「逃げません。」
風間「君はそういう男だ。」
瓜原「いいえ、逃げません。」
風間「...明後日、授業参観がある。佐柄美幸も出席するそうだ。君のデッドラインはそこだ。
仕留められなければ、指導は終了し、交番勤務に戻ってもらう。」
そう伝えて指導官は部屋を後にした。
オフィスに戻って胃痛と戦いながら事件当時の資料と向き合う。
Aちゃんがグラスの水といつもの胃薬を持って来てくれた。
瓜原「いらない...。」
そう伝えたものの、彼女はデスクに薬を置いて帰って行った。
瓜原「この傷だけなんだ...。」
額のこの傷が、どこにぶつけてできたものなのか。
それさえ分かれば、佐柄を仕留められる...。
side 佐柄
翌日、授業参観には多くの保護者が出席した。
新しい担任の先生は優しそうな男の先生。
担当教科である理科の授業で子どもたちは大いに盛り上がっていた。
先生から出されたクイズに挙手をして自分の意見を述べる子ども達。
恐る恐る手を上げ、指名されたのは研人だった。
自分の意見を立ってしっかり述べる彼。
周囲のクラスメイトに褒められている彼の姿を見て、思わず涙が溢れた。
涙を隠すように教室の端に移動し、バッグからハンカチを取り出そうとした時、グラウンドにこの間の刑事の‶指導官”が立っているのが見えた。
彼は私に気づくと頭を下げた。
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作者名：愛音
| 作成日時：2024年1月14日 17時
