side 黒木 ページ32
.
side 黒木
走り去っていくバスに手を振りながら社長は言った
白柳「無事出発しましたねぇ」
黒木「はい」
白柳「6年31名全員参加、素晴らしい...」
黒木「はい」
白柳「...ん？黒木先生は参加されないんですか？」
黒木「私はバスが苦手なので」
白柳「あ...」
社長と講師室に戻りながらAに連絡をして彼女の到着を待った
A「あれ、じぃじ」
白柳「あら、Aじゃない。アンタ何堂々と入ってきてるのよ」
A「え、だって呼ばれたから」
白柳「え？」
黒木「ごめんね、忙しいのに来てもらって」
A「いやそれはいいんだけど...」
白柳「Aまで呼んで話したいこととは何ですか？」
黒木「先日社長からお話しいただいた5階増設の件ですが、個別指導塾にしようと思ってまして」
白柳「個別指導塾、ですか」
黒木「塾に通わせて受験はさせたい、しかし集団塾での勉強法やシステムに向かない性質の子もいます」
白柳「さすが一人一人でのケアが行き届いてますね」
黒木「いえ、ここの生徒の補習塾としてではなく別塾として登記していただきたいんです」
白柳「ほう...」
黒木「その個別塾の校長をAさんにお願いしたいんです」
A「...え！？校長！？」
黒木「はい」
A「いや「はい」じゃないよ」
黒木「ですが以前社長の提案で新設される関東圏の校長に、というお話もあるのでそこはAさんにお任せします」
A「待って待って、関東圏に新設？何それ聞いてないよ、じぃじ」
白柳「まだアンタには言ってないもの。今黒木先生が仰った通りよ」
A「その場合私はどこに飛ばされるの？」
白柳「飛ばすってヤな言い方ねぇ？一応吉祥寺付近で考えてあげてるわよ？だから...調布とかかしら？」
A「微妙な距離...じゃあ個別塾の校長がいい」
白柳「そう？調布もいいところよ？」
A「いや知ってるよ？でも一目会うのにタクシーで22分と階段降りて20秒だったら、そりゃこっちでしょ」
白柳「どうせ仕事が終わったら会うんだからタクシーで22分でもいいじゃない」
A「それとこれとは話が違うよ、それにこっちだったら一緒にお昼食べれるし！」
黒木「あの...」
白柳「まぁいいわよ、やるのはアンタなんだから好きにしなさい？」
A「個別塾の校長で！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 409人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愛音
| 作成日時：2021年11月28日 21時
