父さん...？ ページ5
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緋山「わかった、」
そして隣の病床の田沢さんにも『頑張ります、』と声を掛けた。
翌日、斎藤さんのオペが終わり私は無事に終わったこと
田沢さんが説得していたことを知り、礼を伝えるために彼の病床を訪れた。
緋山「あの子が『悟史さんも頑張ってください』って伝えてくれ、って」
田沢「...何を頑張るの、
やれるオペがあるだけいい、って言っただけだ
本心だよ。
今の俺を見りゃわかるだろ？」
彼の言葉に何と返せばいいのかわからなかった。
田沢「何が『医者だった、』だ...
あんな子にまで同情されてるのか、俺は...」
私の知らない田沢さんの姿がそこにあった。
藍沢side
嘘をつくなら、いっそ嘘をつき通してほしいと思うこともある
だけど、医者にそれは許されない。
事実を伝えるのが医者の仕事だ
医者は事実を伝えなければならない。
例えそれが、どんなに残酷な事実だったとしても...
今日こそは本当の話を聞こうとばあちゃんの病室に足を運ぼうとしていると
スクラブの裾を掴まれた。
振り返ると桃田の姿
「あの...昨日はありがとう」
恐らく電車の中での話をしているのだろう、
藍沢「気にするな、
お前はもうちょっと周りを頼ればいい」
漸く顔を上げた彼女と目が合うことはなく、
彼女は俺の後ろを見ていた。
「あ、この間の人...」
振り返るとばあちゃんの病室に入っていく一人の男性
彼が山田一郎の正体なのか...？
追って俺たちも病室に入った。
絹江「...誠次、」
男性を見たばあちゃんはそう口にした。
藍沢「誠次？」
死んだ父さんと同じ名前...
藍沢「_______________父さん？」
第3回「真実と嘘」完
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作者名：愛音
| 作成日時：2020年11月19日 10時
