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58話 ページ17
いつからだろう
夜が怖くて
いや眠ることが怖くなったのは
目を閉じても眠れない
きっと眠ってしまったらあの時の
イザナや圭介のことを思い出してしまうから
そういったときは必ず
三「眠れねぇのか」
三途が隣にいてくれる
なんで三途が私なんかと一緒にいるのかはわからない
三途にとって王はマイキーただ一人
私にとっての王はイザナ
分かり合えることはないはずなのに
彼はいつも私を支えてくれる
『………………三途』
三「隣にいてやるから目つぶってろ」
『…………うん』
仕事上は上司と部下だけど
仕事が終わるといつもこうだった
仕事の書類に目を通しながらも私の隣にいてくれる
昔聞いたことがあった
”なぜマイキーじゃなく私についてきたの？”
私の質問を鼻で笑い答えてくれた
”勘違いしてんじゃねぇよ”
”俺の王はマイキーだけだ”
”今はマイキーが幸せにあいつらと過ごせればそれでいい”
マイキーにとっての幸せが三途にとっての幸せ
『……ごめんね三途』
三「なに謝ってんだ？」
『………………っ』
三「はぁ、俺は俺が望んだからお前と居るんだよ」
『…………うん』
三「ほらさっさと寝ろ」
優しく私の髪をなでる彼の手は優しかった
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作者名：ぎゃん | 作成日時：2022年10月1日 16時
