追いつづ(84) ページ24
再度帰ろうとしたが、またもやさゆり先生に引き止められた。
A「それ以上聞きたくありません・・・。」
涙が溢れそうになるのを必死に堪え、そう言った。
さゆり「でも、それだけよ。」
思いもしなかった言葉をかけられ驚いた。
A「え?」
さゆり「確かに彼は服を脱ぎながら貴女と勘違いしたまま、私にキスはしたけど。
私も他の女の名前を呼ぶ人抱かれる何て悲しくて堪らなくてその時泪が溢れた・・・。
でも久しぶりに彼に触れられて私は嬉しくて堪らなかった。
だから自分の服を脱ぎながら、私の服も脱がせる彼を止めなかったし、嫌がらなかった。
でもそれだけよ。彼はそのまま私を押し倒したまま寝ちゃったから。
悔しくて堪らなくて、悲しくて・・・。
だからわざと彼の腕時計を持って帰って、わざと貴女に渡したわ。
私の囁かな抵抗のつもりだった・・・。」
本当にしてなかったんだ・・・。
やっぱり本当にしてたら翌日気づくはずだよね・・・。
あの時の浬の言葉は本当だったんだと思った。
さゆり「その後貴女が入院する事になって、すぐにでも彼に話そうと思った。
ずっと謝りたかった。
でも私の顔をちゃんと見る事もせず、仕事をする彼を見て言えなかった。
貴女が仕事復帰した後の貴女達を見て居ると、医者として貴女を傷つけてしまったことへの申し訳無さより、悔しさの方が勝ってしまった。
でも昨日はっきり、天堂先生にこれ以上幻滅させるな。って言われて気づいたの・・・。
これ以上はもう辞めようって・・・」
そうだったんだ・・・。
目に溢れそうな程の涙を溜めながら言うさゆり先生に、さゆり先生はさゆり先生でずっと辛かったんだなって思った。
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作者名:moca | 作成日時:2020年5月10日 17時