眠らせ屋さん ページ2
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「失礼しま〜す」
115号室の扉をノックし静かに開ける。
きょとんとしたお顔がこちらをくるりと向く。うわー、可愛い男の子。目がくりくりしてるよ。
「おはよう、雄大くん。今日手術をする、医者の日代Aです。よろしくね」
ベッドのそばにある椅子に腰かけ、目線を合わせる。
発熱しているからか結構しんどそう。そりゃそうだよね…。
「今、お腹痛い…よね？」
そっと頷く雄大くん。ええと深夜2時に来たのね、そりゃ大変だ。
「よしよし、もうすぐ良くなるから 。手術も怖くないからね、眠っている間に終わっちゃうから」
「眠っちゃうの？僕、眠くないよ。ちょっとしんどいけど…」
「大丈夫だ、俺があっという間に眠らせてやる」
あ。
「荒瀬先生」
気付けば扉のそばに突っ立ていた、首をかしげてにやりと笑う化け猫。
「だーれ、この猫みたいな人」
雄大くんが不思議そうにつぶやく。雄大くん、その比喩正しい。この人ホント猫みたいだよね〜。
「んー？俺は眠らせ屋さんだぜぇ」
「ぶっ、眠らせ屋さんって。
あ、そうだ、今日この先生のおかげで、雄大くんは痛いって感じずに手術できるからね」
「ふうーん、すごいね」
だろ？と得意げに笑う荒瀬先生。…この人子供には超優しい笑顔見せるのね 。初めて見たわ、こんな柔らかい顔。
雄大くんが荒瀬先生と仲良く喋っている間に、カルテに必要事項を書き込む。
「ええっと、とりあえず安定してるね…っと。じゃあこれから、おうちの人に手術の説明してくるから、ゆっくりしててね」
ばいばいと笑顔で手を振って、荒瀬先生と病室を出た。
「…あの子、両親いないそうだな」
「……ええ。なんでもまだ雄大くんが小さい時、事故死したらしいです。あんなに小さいのに…」
昨日病院に連れてきたのは雄大くんのおばあちゃんだそうだ。もうすぐ、来るはず。
「日代、しっかりやれよ」
「はぁい。荒瀬先生も、説明ちゃあんとお願いしますよ」
どの口がそんなこと言ってんだ、と軽く頭を小突かれた。 …あら。
「先生…」
「ん？」
「荒瀬先生、あたしより、背、低いですね」
「…悪かったな」
「いたぁ！」
さっきよりさらに強く小突かれる。そしてそくささと廊下を歩きだした。
「ほらさっさと応接室行くぞ！」
もー、あたしには優しくないんだから！加藤先生の方がよっぽど女神っ！
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あーたん - 完結おめでとうございます。私も医龍の小説を占いツクールで書かせていただいていますが、小学生なので医療用語あやふやで、文章力もよくないです・・・。Mariさんの文章力の良さ、うらやましいです＾＾ (2015年11月22日 12時) (
レス) id: 5f4dd0772a (このIDを非表示/違反報告)
Mari(プロフ) - 柴崎 彼方さん» コメントありがとうございます。私も日代先生、書いてて楽しかったです（笑） (2015年5月2日 20時) (レス) id: 3f7c5b2923 (このIDを非表示/違反報告)
Mari(プロフ) - みかづきさん» コメントありがとうございます。次回…あるかわかりませんが、そのときはよろしくお願いします(*^^*) (2015年5月2日 20時) (レス) id: 3f7c5b2923 (このIDを非表示/違反報告)
柴崎 彼方(プロフ) - 完結おめでとうございます！！いやー、日代先生よかったです♪笑 (2015年4月29日 15時) (レス) id: b228346365 (このIDを非表示/違反報告)
みかづき(プロフ) - 完結おめでとうございます。次回作を楽しみにしています (2015年4月27日 16時) (レス) id: 63313e013c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mari | 作成日時：2015年3月26日 15時
