祈り 2 (ページ2)

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「え？」

ジェシーの声が小さかったからとか、俺がこの英語の意味が分からなかったわけでもない。
反射的になぜか聞き返してしまったのだ。

「俺と？」

「そう。」

「俺でいいの？」

「樹だから言ってんの。ずっと一緒にいてくれるんでしょ？...答え聞かせて？」

そんなの決まってる。

「イエスに決まってんじゃん！」

「HEHE...良かった。樹、左手出して。」

そう言われてジェシーに左手を差し出した時にハッとした。

「あっ、違うの、これは...」

謎に自分で左手にはめたジェシーとのペアリングを見られてしまった。
あまりにも恥ずかしくて急いで外そうとするとその手を止められた。

「そのままでいいよ。」

するとそのペアリングの上に新たなゴールドの指輪がはめられた。

「今度樹に会えた時、絶対にプロポーズしようって決めてたの。いつ会えてもいいようにずっと鞄に入れて持ち歩いてたんだ。」

「じゃあこれ結婚指輪ってこと？」

「そうだよ。また今日の日付は彫ってもらおうね。」

「ねぇ、ジェシーの分は？」

「あるけど、樹がメインだよ。」

「何言ってんの！早く出して！」

何故か渋々渡されたジェシーの分の結婚指輪。
いざはめてあげるとなると緊張してしまう。

「めっちゃ緊張する...」

「すぐはめるだけだよ。」

「重大イベントでしょ！」

さすがに赤ちゃんも痺れを切らして強めの一発を食らわせてきた。

「じゃあはめるね。」

握りすぎて俺の体温で温まってしまった指輪をジェシーの左手薬指にはめた。
その瞬間、俺はずっとこの人を愛することを神に誓った。

もちろん、これは正式な結婚ではないし、ジェシーは正式な旦那様でもない。
それはこの国の法律が変わる日まで変わることは無い。

でも今の俺はそこまで多くは求めない。
俺が一人ぼっちだった期間でどれだけ自分の好きな人といれる時間が幸せか感じることが出来た。

だから俺はお腹の子やジェシーやメンバーという俺の大好きな人達と過ごせたら今はそれでいい。

「樹。誓いのキス。」

そう言ってジェシーから降ってきた甘いキスはあの日ジェシーが酔っ払っていた時や俺が別れを惜しんでジェシーに降らせたキスと全く違う。

この世の中同じなんて存在しない。
エコー写真と一緒。