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夜、珍しく学校を出歩いていた。
誰もいない学校は静かで暗い。
だけど、一階西廊下の救護室から光が漏れているのがわかった。
光の漏れるドアの隙間から、中を除くと。
そこには1人目に涙を貯めて、自分の体を治療する彼女がいた。
肩には打撲、足には火傷は、腹には切り傷が見られた。
包帯が巻かれようとしてる腕は青に変色して若干歪んでるようにも見える腫れ方をしている。
俺は思わず救護室に入った。
「こんな時間に何をしている。」
「治療だよ。俺保険証とか持ってないからよ。」
男勝りの口調も今は弱々しかった。
「これは病院で治療しないとダメなやつやろ」
「大丈夫だから。ちゃんと固定してるし、何回もやったから。」
「とりあえず今日は家に帰りなさい。」
「家の鍵持ってない。多分お母さんは男ととまってくるだろうし、親父はパチンコでもいってるだろうから、家に誰もいない。」
「しかしだなぁ…」
「じゃあ、先生んち泊めてよ。」
「な？！」
「お願い。どうせ飯もまだだろ作ってやるから。」
「だから。自分の家に…」
続きを紡ごうとすれば彼女は俺の胸に飛び込んで、小さく小さく呟いた。
「お願い……帰りたくないの。先生……」
彼女のからだが小さく震えていたのを覚えている。
仕方なく、車に乗せて帰りにスーパーにより、食材を買って部屋に戻った。
12時を回りそうな時刻。彼女は野菜中心の料理を披露してくれた。
「随分とヘルシーなんだな。」
「先生太り気味だから。」
「やかましいねん！」
「先生独り身なんだ。」
「一応まだな。」
「なに？予定でもあるの？」
「なくはなくはない、」
「ないんじゃん。」
そんな他愛もない話で食卓を囲むと、彼女の涙は晴れていた。
彼女は俺が溜め込んでいた洗濯も洗い物も全て片付けて、自分で客用の布団を敷いて寝る準備をした。
テキパキとした行動に何故か違和感を覚える。
「いつもしてるのか？」
「…まぁ、お母さんも親父も家のことは何もしないから。」
「そうか。」
「しなかったら、親父にめっちゃ怒られるしさ。親父怒ると手がつけられなくなるし。お母さんかえってこないから。」
困ったもんだねと笑う彼女の顔は引きつっていて切れた腹を撫でて辛そうだった。
そんな彼女が多くの弱いものを救っているのに、俺は強い立場でありながら、強い彼女でさえも救えない。
俺は不甲斐なさに歯を食いしばることしか出来なくて、それでも彼女は「大丈夫」と笑って俺をも救った。
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ケントゥム - 憑き物って「トワイライトプランク」ですよね！！気付いたときめっちゃくちゃ嬉しかったです！！ (2022年7月22日 10時) (
レス) id: 3dc9f6a52b (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 紅覇さん» ありがとうございます！ (2020年5月2日 21時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
紅覇 - 悲しすぎて胸の奥がキューってなりました。これからも頑張ってください！！ (2020年5月2日 14時) (レス) id: 6f781d8dfc (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 雪鈴さん» これが書きたくて仕方なかったので長くなってしまいました (2020年5月2日 13時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
雪鈴(プロフ) - ……鬱先生、哀しすぎる…ついウルッと来てしまった…｡ (2020年5月2日 13時) (レス) id: 19448fa7ba (このIDを非表示/違反報告)
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