妹カノジョ kn.Ver ページ9
俺には十二個下の妹がいる。
俺が事故っても見舞いに来なかった両親よりも絆の固い異父兄弟が
俺が中学に上がる少し前母親が子供を連れてきた。
産まれたばかりの子供で母親の子供であるが父親の子供ではない。
つまり母親の浮気相手との子供だった。
もちろん父親はよく思わず出ていったし、母親は自分の子供なのに世話をしない。
夜泣きをすれば叩くので、俺は子供の世話を引き受けた。
そもそも子供に興味もない母親を俺は知っていたから。
妹が、小学校にはいる頃には高校に入る頃だった。
だけどそのタイミングで母親は出ていった。いきなり返ってこなくなった。
だけどそもそも帰ってきたって話してないそんなに変わったことは無かったが。
しばらくして気づいたのが「家にお金が入ってない」ということだった。
高校の授業料やら諸々の雑費を無収入で引き落としていたので、気づいた時にはそこを着きかけていた。
俺は部活をやめてバイトを始めた。
だけど全然足りなくて何個も掛け持ちして朝から晩まで動き続けた。高校も中退し、フルタイムで働いた。
そして疲れきったバイト帰り、妹が中学に入ったばかりの頃。
俺は事故にあった。
両親はもちろん来ない、バイト先の人が1度だけ見舞いにきた。
妹は学校が終わると毎日来た。
「Aゴメンな。毎日こんでええねんで、友達と遊んだりしたいやろ？」
「お兄ちゃんより、大切な友達いないよ。」
「そっか。」
リンゴを器用に剥きながら答える。
料理は妹の方が得意とはいえこんなに器用になっていたとは。
「お兄ちゃん、無理しないでよ。」
「兄ちゃんこそ、ごめんなほっぽってて」
「お兄ちゃんは私のために頑張ってくれてるんやもん。謝ることないよ。」
「久々にゆっくり話したな。」
「そうだね。」
「……」
いざ話すとなると会話が続かない。
妹の赤毛が揺れているのを眺めるだけだった。
「何？お兄ちゃん」
「あ、いや、」
中学生らしからぬ大人びた美しさは母親譲りだが、甘えたな事を俺は知っているから可愛く思える。
「あ、そうだお兄ちゃん。」
「なんや？」
「私もね。夜働くよ。」
「はぁ！？」
「お兄ちゃん声大きい」
「すまん」
働く中坊が？しかもそのあいだまで小学生やった中坊がそんなこと出来るわけない。
「学校帰りに誘われたんだけど、話すだけでお金が貰えるんだって。それなら私でもできるかなって」
俺は渡された名刺をまじまじと見つめた。
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ケントゥム - 憑き物って「トワイライトプランク」ですよね！！気付いたときめっちゃくちゃ嬉しかったです！！ (2022年7月22日 10時) (
レス) id: 3dc9f6a52b (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 紅覇さん» ありがとうございます！ (2020年5月2日 21時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
紅覇 - 悲しすぎて胸の奥がキューってなりました。これからも頑張ってください！！ (2020年5月2日 14時) (レス) id: 6f781d8dfc (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 雪鈴さん» これが書きたくて仕方なかったので長くなってしまいました (2020年5月2日 13時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
雪鈴(プロフ) - ……鬱先生、哀しすぎる…ついウルッと来てしまった…｡ (2020年5月2日 13時) (レス) id: 19448fa7ba (このIDを非表示/違反報告)
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