大切だったカノジョ sha.Ver(リク) ページ28
色のない世界は一瞬で色づき、穴だらけの記憶は完全に修復された。
ピンク色の髪の姉がこちらを見ている。
変身は出来たのもののその衝撃と苦痛と快楽でどうにかなりそうだった。
「ばんびっ!!!」
目を見開いた。その声はずっと海外にいたはずの、僕らの恩人。
ツヤっぽい黒髪を熱風に煽らせて、普段とは違いこわい顔でいつも通り凛とした声で、僕の中身に語り掛けた。
「しゃんとせい!!この意気地無し!!しっかり気を持ってちゃんとそのバケモン倒せや!!」
僕の正体は分からないはずなのに、僕の名前を呼び、僕に語り掛けた。
ダメだ僕はここで倒れては行けない。
僕は化け物と対峙した。
神様のおかげで僕は生き返り、何事も無かった平穏な日々は訪れた。僕のこともあの化け物のことも何もかもなかった事だ。
僕は行方不明になっていてやっと帰ってきたと姉のいちごに散々泣かれたあと。
ぼーっと植物状態の相棒の見舞いをし、仕事先へ出勤した。
広い庭を掃除するのは、綺麗な黒髪の憧れの人。
「ばんび、おかえり。休んだってのにまだ幸薄そうな顔してるね」
ざっくばらんとした彼女の笑顔は変わっていなかった。
「まだ、伯爵帰ってないからもう少し休んでいいわよ。」
「でも……」
「ここずっと……大変だったんでしょ?」
彼女は僕の頬を撫でて涙を貯めた目を向けた。
「お疲れ様。ゆっくり休んで。ヒーロー」
消したはずの僕らに関する記憶は彼女にはあった。
困惑する僕をよそに彼女は僕をただ強く抱き締めた。
END「1人と1機と1□の記憶」
呪われたカレシ rbr.Ver(リク)→←大切だったカレシ sha.Ver(リク)
501人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ケントゥム - 憑き物って「トワイライトプランク」ですよね!!気付いたときめっちゃくちゃ嬉しかったです!! (2022年7月22日 10時) (レス) id: 3dc9f6a52b (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 紅覇さん» ありがとうございます! (2020年5月2日 21時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
紅覇 - 悲しすぎて胸の奥がキューってなりました。これからも頑張ってください!! (2020年5月2日 14時) (レス) id: 6f781d8dfc (このIDを非表示/違反報告)
卍エシラ(プロフ) - 雪鈴さん» これが書きたくて仕方なかったので長くなってしまいました (2020年5月2日 13時) (レス) id: 62414ec622 (このIDを非表示/違反報告)
雪鈴(プロフ) - ……鬱先生、哀しすぎる…ついウルッと来てしまった…。 (2020年5月2日 13時) (レス) id: 19448fa7ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ